【優れた企業とは何か?】
レジリエント・カンパニー ~なぜあの企業は時代を超えて勝ち残ったのか~(ピーター・D・ピーダーセン 氏)

【優れた企業とは何か?】レジリエント・カンパニー ~なぜあの企業は時代を超えて勝ち残ったのか~(ピーター・D・ピーダーセン 氏)
【Bond-BBT MBAメールマガジン ブックレビュー・ランキング2015 第5位】

皆様は「優れた企業」とはどのようなものだと思われますか?

「収益を上げ続けている会社」「業界トップで知名度抜群の会社」など、様々な答えを思い浮かべられるのではないかと思います。今回ご紹介するのは、この時代に求められる企業の在り方を考える上で参考になる一冊です。

本著では、各種分析やインタビューなどを通した著者の研究結果がまとめられています。まず著者は、それを考える上で、世界経済で現在起きているおさえるべき潮流を5つ挙げています。要約して以下にご紹介します。

経営環境の5つの潮流

【潮流、その1】人間経済が拡大する
予測される世界人口の1日の純増(約21万人)による、地球全体の都市化や地球人口の平均年齢の上昇。人間が生きるために必要な食糧や水、エネルギー、消費財、社会インフラなど、すべての分野において息の長い成長が予想される。

【潮流、その2】成長の基盤が揺らぐ
世界人口の急増によってもたらされる消費の拡大による、環境問題。生活の基盤となる自然環境が悪化することで、資源を巡る争いや法規制の強化など社会的制約も厳しさを増してくる。社会不安による影響も増大。

【潮流、その3】ビジネスは一層多元的になり多発する
新興国からの新規参入などによる競争の激化と市場の予測性の低下。どんなに大きな企業でも、自社の市場をかつてのように予測・支配することが完全にできなくなりつつある。

【潮流、その4】新しい情報ツールが協働と革新を促す
「情報流通の進化」による個の力の活性化、垣根を越えた協働と新しい革新の活性化。

【潮流、その5】企業の役割が内外から問われる
社会からも社員からも深く問われ始めている利益の追求を超えた企業のなすべきこと。期待される、環境や社会の問題解決などへの積極的な貢献。

そのような中、企業に求められると著者が考えるのが、「レジリエンス(しなやかさ)」であり、それをもった企業を「レジリエント・カンパニー」と呼び、以下のように定義しています。

「レジリエント・カンパニー」とは
危機に直面したときの回復力が高く、事業環境の変化に柔軟に対応し、そのストレスや不確実性の中から、次なる発展のきっかけを見出し、社会全体の健全な営みを資する行動をとる企業。

皆様でしたら、どのようにしてそのような企業を目指されますでしょうか?

著者はレジリエント・カンパニーの条件として、以下の「3つの特徴」と、それに基づく「7つの行動」を挙げています。簡潔にご紹介させていただくと…

レジリエント・カンパニーの「3つの特徴」と「7つの行動」

【特徴1】アンカリングができている~企業としての「拠り所」がある。
(行動1)価値観と使命を活かす
(行動2)信頼を積み上げる

【特徴2】自己変革力が高い~事業環境の変化を素早く察知し、機敏に行動に反映できる文化と組織をつくる。
(行動3)ダイナミックに学ぶ
(行動4)創造性と革新力を引き出す
(行動5)研究開発を一新する

【特徴3】社会性を追求している~社会の方向性と自社の戦略・行動のベクトルが合致し、社会との好循環を生み出す行動に努めている。
(行動6)トレード・オンにこだわる
(行動7)ブランドをつくり変える

それぞれの詳細についてはこちらでは割愛いたしますが、本著では実際の企業事例に基づきながら「3つの特徴」「7つの行動」について具体的に解説をしています。

本に書かれていることは決して“正解”ではありません。ただ、ご自身でこれからの企業の在り方を考え抜き、実践に移していくために参考になるところも多いのではないでしょうか。

ご興味をお持ちの方はぜひ一度、本著をご覧になられてみてください。

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