【社会的な課題の解決を目指して】
イノベーション・ファシリテーター
3カ月で社会を変えるための思想と実践
(野村 恭彦 氏)

【社会的な課題の解決を目指して】イノベーション・ファシリテーター3カ月で社会を変えるための思想と実践 (野村 恭彦 氏)

皆様は「フューチャーセッション」をご存知でしょうか?企業や民間の方などが大々的に開催しているケースもありますので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。今回ご紹介する書籍の著者は以下のように定義しています。


未来に向けた問いかけがあり、それに呼応して集まった多様な参加者が、対話を通じて相互理解と信頼関係を築き、新たな関係性と新たなアイデアを同時に生み出し、強調してアクションを起こしていく場。

その場を設ける目的は、社会的な課題を解決すること。

過疎化、医療問題、環境破壊など、世の中には実に多くの課題がありますが、その課題に直面するステークホルダーがお互いの想いや知見などを持ち寄り、対話をしていくことを通して社会的な課題の解決に動くことを目指す手法のひとつです。

企業としていかに社会のためになる事業を行うかがより大切になってきている現代。社会に理解され、共感を得ることができる「シェアードバリュー」を築き上げ、その価値を提供するための「新規商品・サービスの開発」を行うことを目指して開催されることもあります。

その際に重要視されることのひとつは、「ステークホルダー同士の関係に変容を起こす」こと。仕事などでも経験されたことがあるかもしれませんが、相互理解なしに立場の違う人同士が折り合って行動を起こすためには、妥協点を探って行動をせざるを得ないということが多々あるのではないかと思われます。

妥協することも時には必要かもしれませんが、より良い成果につなげていくためにはお互いが信頼関係を築いて様々な視点から本音で語り合うことで、納得感のあるより良い打ち手を模索し、行動することではないでしょうか。

そのような変容を生み出し、社会的な課題の解決を支援するのが、著者が提唱する「イノベーション・ファシリテーター」です。


新しいアイデアやプロダクトを新しい方法で世の中に提供して、社会に変革を起こそうとする人々を支援し、うまくことが運ぶように舵取りする人。

グローバル化が進み、変化も速い現代。社会的な課題は細分化されながらも拡がりを見せています。その全体像の把握は難しく、課題は連鎖するように次から次へと発生…。そのような状況では、一人だけでは解決することができない課題が山積される一方。その時代背景を受け、イノベーション・ファシリテーターは異なる視点をもったステークホルダー(課題の当事者)を結び付け、当事者間の信頼関係などを構築していくことで課題解決の支援を行うことを目指します。

そのために必要な「思想」と「実践」を解説しているのが本著です。特に重要となる「思想」について本著でもページの多くを割いて書かれていますが、その中から「未来思考」についてご紹介をしたいと思います。著者は「未来志向」のことを以下のように定義しています。


物事を考える視点を未来に置いて、そこから現在を振り返ることによって、いま起こしたいアクションを決める思考方法のことを言います。

今という時間は1つしかありません。しかし、まだ起きていないこれから起こる「未来」は様々な可能性があります。

未来なので、何が正解で何が不正解かはわかりません。だからこそ、自由に思い描くことが可能ですし、想像するとワクワクしてエネルギーが湧いてくるものでもあります。

どんな未来がやってくるかは誰にもわかりません。しかし、思い描いた自分たちが手にしたい未来のために、いまからアクションを起こすことは可能です。ステークホルダー同士でそれを行うことができたら、どんなにインパクトのあることができるでしょうか。

社会的な課題に対する取り組みに限らず、自身のキャリアなどについて考えることにも共通して言えることですね。

過去や現在から発想をすると、「どうせできないに違いない…」と自分たちで自分たちに制限をかけてしまう可能性があります。

そうではなく、「こうありたい」という未来を手にするためにどうするか?それを考えることが、社会的な課題解決のためにも、ご自身のキャリアを考えるためにも可能性を広げる上では必要なことなのではないでしょうか。

この他にも、イノベーション・ファシリテーターとして必要な思想、フューチャーセッションを開催するための実践法などが本著には詳しくまとめられています。ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度本著を手に取られてみてください。

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