【活気のあるチームのリーダーに見られる特徴とは?】
メンバーの才能を開花させる技法(リズ・ワイズマン 氏、グレッグ・マキューン 氏)

【活気のあるチームのリーダーに見られる特徴とは?】メンバーの才能を開花させる技法(リズ・ワイズマン 氏、グレッグ・マキューン 氏)
【Bond-BBT MBAメールマガジン ブックレビュー・ランキング2015 第4位】

著者は、オラクルで17年間オラクル大学バイスプレジデントおよび人材開発グローバルリーダーを務め、現在は独立してグローバルリーダーの養成に取り組むリズ・ワイズマン氏と、『エッセンシャル思考』(かんき出版)の著者でもあるグレッグ・マキューン氏の二人です。

皆様のまわりを見渡したときに、以下のようなチームはないでしょうか。

【1】活気があって、メンバーが自らの力を存分に発揮して成果を上げているチーム
【2】仕事ができる人が集まっているのに、それぞれが自らの力を発揮できておらず思うように成果が上がらないで苦しんでいるチーム

その理由は状況により様々かと思いますが、著者はそのひとつの理由として「リーダーの在り方」を挙げています。

本著は、アメリカやヨーロッパなどにいる管理職150名を著者が徹底的に分析した結果をまとめた書籍です。

その中で見えてきたことは、成果を上げているリーダーは個人としての力が優れているというだけではなく、チームメンバーの力を存分に引き出しているということです。

一見すると当たり前のことかもしれないですが、それがわかっていたとしても一方ではチームメンバーの力を有効に引き出せず消耗させてしまう、そしてその結果、チームのパフォーマンスを落としてしまうリーダーがいるのも事実ではないでしょうか。

調査を通して見えてきた両者の違いはどこにあるのでしょうか?

著者は前者を【増幅型リーダー】、後者を【消耗型リーダー】と名付けて各リーダーの特徴をまとめています。その中でも、以下の「五つの習慣」の違いに注目をしています。

それぞれのリーダーの「五つの習慣」における違い

◆増幅型リーダー
-才能ある人材を惹きつけ、最高の貢献を引き出す。
-最高のアイデアと仕事を引き出すような、自由と緊張感のある環境をつくる。
-メンバーの力を伸ばすような機会を与え、大いに挑戦させる。
-精緻な議論を通して健全な判断に導く。
-メンバーにオーナーシップを与え、彼らの成功のために経営資源を投資する。

◆消耗型リーダー
-才能ある人材を囲い込み、支配しながら生産性を上げることにこだわる。なわばりをつくり、全社的な人材の有効活用を妨げる。
-独裁者のようにふるまい、メンバーの思考と能力を抑圧して委縮させてしまう。
-自らが「全能の神」であるかのようにメンバーに命令をし、知識をひけらかして自分が有能であることを知らしめる。
-少数の内輪の人間だけで素早く意思決定をくだし、それ以外の大部分のメンバーの意見を聞かず実行を命令するのみ。それが、組織を混乱させることにもつながる。
-自分がすべてを支配することで結果を出そうとし、些細なことにも口出しをして成果に結び付けようとする。

著者は、教育や実践を通して、増幅型リーダーになることは可能と考えています。

そのための技法が本著ではいくつか紹介されているのですが、今回はその中から才能ある人材を惹きつけるために不可欠な、才能の発掘者になるための土台作りについて、その方法と考え方を要約してご紹介します。

才能を発掘するための3ステップ

【STEP1】才能を見出す
-チームメンバーのリストを作る。
-彼らが自然と無理なくできていることをそれぞれ書き留める。
-「エクセルの天才」などのような表面的なスキルではなく、「なぜ、この人は〇〇がうまいのか?」を突き詰めて考え、「データのモデリングに優れているのかもしれない⇒論理思考力に秀でているからかもしれない」と仮説を立てる。

【STEP2】検証する
-才能について仮説を立てたら、それが本当か否か本人や同僚に聞いてみる。
-本人が、自分は何に優れていると考えるか、そして何についてさらに上達しようと考えるかを尋ねてみる。

【STEP3】活用する
-その才能を活用し、さらに伸ばせる仕事を5つリストアップする。
-正式な分担を超えて、まずは一時的な役割を探してみる。

大きな成果を仕事で上げていくためには、メンバーそれぞれの強みを引き出し、活かしてチームワークを発揮していくことが不可欠です。そのための第一歩として、上記の取り組みは大きな意味をもってくるのではないでしょうか。

その他にも、増幅型リーダーになるために必要な実践的な技法が紹介されている本著。ご興味がございましたらぜひ一度、手に取ってみてください。

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