【本当に重要なことは何か?】
エッセンシャル思考 ~最小の時間で成果を最大にする~
(グレッグ・マキューン 氏)
今回は、シリコンバレーのコンサルティング会社THIS Inc.のCEOであるグレッグ・マキューン氏の著書をご紹介します。
エッセンシャル思考とは何なのでしょうか?著者は以下のように述べております。少々長くなりますが、より具体的にご理解いただくために関連部分を抜粋してご紹介します。
エッセンシャル思考は、より多くのことをやりとげる技術ではない。正しいことをやりとげる技術だ。
もちろん、少なければいいというものでもない。
自分の時間とエネルギーをもっとも効果的に配分し、重要な仕事で最大の成果を上げるのが、エッセンシャル思考の狙いである。
(中略)
エッセンシャル思考の人は、適当に全部やろうとは考えない。トレードオフを直視し、何かをとるために何かを捨てる。
そうしたタフな決断は、この先やってくる数々の決断の手間を省いてくれる。それがなければ、うんざりするほど同じことを問いつづけるはめになるだろう。
エッセンシャル思考の人は、流されない。たくさんの瑣末なものごとのなかから、少数の本質的なことだけを選びとる。不要なものはすべて捨て、歩みを妨げるものをすべて取り除いていく。
要するにエッセンシャル思考とは、自分の力を最大限の成果につなげるためのシステマティックな方法である。
やるべきことを正確に選び、それをスムーズにやりとげるための効果的なしくみなのだ。
重要ではないことにまで手を広げてしまうことで本質を見失うことの代償の大きさを指摘している著者。
本著の最初の方でも「規律なき拡大は失敗への道」と述べています。特に優秀な人ほど「成功のパラドックス」に陥りやすく、成功の結果、様々な仕事を振られるようになってやることが増えすぎ、時間とエネルギーがどんどん拡散され、疲れるばかりですべてが中途半端に。そして、本当にやるべきことができなくなって、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまうと指摘しています。せっかく成果を上げたのに、もったいないことですよね。そのような事態を避けるために、エッセンシャル思考が大切になってくるわけですが、そのための基礎となる考え方として以下の3つを著者は紹介しています。
1.選択
私たちは、時間とエネルギーの使い道を選ぶことができる。だからこそ、トレードオフを引き受けることも必要になる。
2.ノイズ
世の中の大半のものはノイズである。本当に重要なものはほとんどない。だから、何が重要かを正しく見極めなくてはならない。
3.トレードオフ
すべてを手に入れることはできない。何もかもやるなんて不可能だ。何かを選ぶことは、すなわち何かを捨てること。「どうやって全部終わらせようか」と考えるのをやめて、「どの問題がいちばん重要か?」を考えよう。
これらの考え方をもとに、エッセンシャル思考を実現するために必要な考え方やテクニックを本著のなかでは解説しているのですが、今回はその中から「90点ルール」を取り上げたいと思います。書籍から抜粋すると以下の通りです。
最重要基準をひとつ用意し、その基準に従って選択肢を100点満点で評価する。ただし90点未満の点数は、すべて0点と同じ。不合格だ。こうすれば、60~70点くらいの中途半端な選択肢に悩まされずにすむ。
(中略)
90点ルールのすぐれた点は、瑣末な選択肢を容赦なく切り捨てられるところだ。しかもシンプルな数字で決めるので、選択が合理的・論理的になる。直感や感情の入り込む余地はない。
厳しすぎるルールに思えるかもしれないが、妥協すれば自分が損をするだけだ。
90点が良いのかどうかなどの議論は当然あるかと思いますが、少なくても判断をする上での明確な判断基準(最重要基準)をもつことは仕事に限らず何をしていく上でも不可欠なことですね。
仕事をする上でも「選択と集中」とよく言いますが、その大切さを改めて考えさせられる書籍です。
上記以外にも、とても参考になる考え方などが紹介されている本著。ご興味がございましたらぜひ一度、手に取ってみてください。
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