経営方針・経営環境

教育こそが新しい競争に打ち勝つ武器である。
自己否定と自己革新こそが、見えない大陸への唯一確実なパスポートだ。

なぜ「教育」なのか

これからのビジネスの世界で伍していくためには、世界標準の枠組み、ものの考え方、分析ツールについて、しっかり身に付けていかなければなりません。残念ながら、現状の日本においては、新しい経済・社会に適応してくために教育・能力開発のやり直しが求められると考えています。

長く世界的コンサルティングファームのトップを勤め、ビジネスのパラダイムが大きく転換した時期に、世界中で活躍する経営者や政治家と仕事をするなか、こうした時代に何が必要なのかを十分に理解・経験してきました。

もし、そうした経験が日本にとって役立つなら、という思いから知的共有基盤(プラットフォーム)として、Aoba-BBT(旧:ビジネス・ブレークスルー(BBT))は生まれました。

新しい遠隔双方向の教育を目指して

Aoba-BBTは、インターネットを活用した遠隔型マネジメント教育事業を推進しています。21世紀のデジタルネットワーク・ブロードバンド社会において、全世界の人々に対して革新的かつ先端的なマネジメントコンテンツと遠隔教育システムを提供することにより、新しい遠隔双方向の教育を目指しています。数千時間にも及ぶ質・量ともに充実したコンテンツを保有し、多様な配信メディアを通してマネジメント教育プログラムの提供が可能です。

Aoba-BBTの強みは、コンテンツ制作から遠隔教育システムまで独自で企画・開発・運営しているところです。提供するサービスは、保有コンテンツと遠隔教育システムをベースに設計されており、ニーズに応じたプログラムのカスタマイズも可能です。また、遠隔教育システムを用いて多くの受講生に配信可能であり、集合教育と違って規模の拡大が容易で、かつ、また、全世界に広がる出向者、現地社員などにも同時に教育していくことができる柔軟なビジネスモデルとなっています。

「教育」にイノベーションを巻き起こす

Aoba-BBTが遠隔教育を軸にサービスを提供している理由は、世界でもっとも優れた講師の講義をインターネットを通じて世界中に提供するためです。また、教育効果という点でも、遠隔教育は優れています。

集合教育による対面式の講義では、物理的に一つの教室に集まって議論するので、時間も限られ、質疑応答も場当たり的で根拠のないものになりがちです。一方、遠隔教育では、時間や場所といった物理的制約もなく、受講生は事実やデータに基づき自分の意見を述べることになります。グーグルで検索すれば必要な知識やデータは発言前にあらかじめ容易に入手でき、また、論旨の展開も十分に練られたものとなります。たとえば、文部科学省認可のBBT大学大学院では経営管理修士(MBA)が取得できますが、リアルタイム・オンライン・ケーススタディにおいて、ここ1~2ヶ月で話題になっているテーマをもとに、「あなたが難問に直面している企業の社長だったらどうするか」といった課題で1週間かけてディスカッションする。それを巡って、研究、分析、討論が活発に行われます。そのため単なる対面式の講義よりも実のある意見が活発に交わされ、卒業までには相当数のケースをこなすことになります。それにより、学生はいつのまにか今度は自分がその立場になったときにどうするか、という問題解決能力を身に付けていくことになります。この仕事のやり方まで含めた能力開発、「使用前― 使用後」の大きな違いというものは、受講生が等しく感じているもので、遠隔教育でないとできません。物理的な制約のある集合教育ではここまでの効果は期待できません。Aoba-BBTのコアコンピタンスである充実したコンテンツと独自の遠隔教育システムは、これからの教育にイノベーションを巻き起こすばかりでなく、多くの人に新しい経済・社会で勝ち抜いていく希望を与えるものです。

次代を見据えたビジョナリーカンパニー

Aoba-BBTは「ライフタイム・エンパワーメント(生涯活力の源泉)」というビジョンを掲げ、教育の給油所となるプラットフォーム形成を目指しています。優れたコンテンツと教育システムにより、修了後もいつでも最先端の講義を好きなだけ受講でき、絶えず自己研鑽することが可能です。このようにAoba-BBTの教育システムでは、いわばハイテクとハイタッチが融合し、絶えず新たな価値が「創発」されています。受講生の生涯を通じた能力向上とそれに伴う受講生満足度の向上、そして何よりも修了生の社会における活躍こそが、Aoba-BBTの競争優位性と企業価値を高める源泉になっています。

これからも、Aoba-BBTは次代を見据えたビジョナリー・カンパニーとして、常に環境変化に機敏に適応しながら進化を続け、クリエイティブかつしなやかな教育思想のもとに数多くの「国際社会に貢献できるビジネスリーダー」を輩出すべく、未来へ向かって躍進を続けていきたいと思っています。

会社の経営の基本方針

当社グループの事業目的は、「Lifetime Empowerment(生涯学び続け、自分をアップデートする学習プラットフォームの提供)」という当社ビジョンに基づき、全ての年齢層が生涯学び続け自らをアップデートし続ける環境を提供し、世界に通用する人材を育成することです。
この目的に沿い、プラットフォームサービス事業においては、世界標準の「国際バカロレア」「ケンブリッジ大学国際教育機構」認定カリキュラムに立脚した、幼児から18歳までの一貫教育(幼・小・中・高等学校)を、英語・日本語を含む多言語で提供しています。
そしてリカレント教育事業では、当社の創業以来の強みであるオンライン学習システム(AirCampus®)と15,000時間を超える教育コンテンツを積極的に活用した教育を提供しています。
このように、幼児園から大学・大学院、ビジネスパーソン、最高経営責任者、起業家までをカバーする「生涯教育プラットフォーム」を構築し、全世界の人々に対し、世界水準の教育サービスを提供しております。
これらの企業活動を通じ、絶えず教育を革新し、新たな価値を創造する人材を輩出し続けることを基本方針としております。当社グループは、このような基本方針に基づいて事業を展開し業績の向上を図るとともに、株主利益や社会環境にも十分に配慮し、企業価値の向上に努めていく所存であります。

経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

(経営環境)

日本並びに先進国経済は、コロナ禍の影響が安定化へ向かう一方、2022年2月以降のロシア・ウクライナ紛争によるエネルギー、食糧、レアメタル等の市場ひっ迫、半導体を含む供給不足をトリガーとするインフレが継続的に進みました。また、2022年後半から大きな話題となっているChatGPTをはじめとした生成系AIが多くの産業・社会活動領域に影響を与えています。特に、企業における働き方・人材育成のあり方、政府における人材政策、大学・大学院等を始めとする学校経営の根本において、以下に例示するような大規模な変革をもたらそうとしております。

  • 公共・民間部門を問わず、AI/DXを担うデジタル人材や、ITと経営の両方に精通する人材ニーズの増加
  • 会社や社会を牽引するリーダーシップ・起業家精神と問題解決力を発揮する人材ニーズの増加
  • 経営者自身が学び直し、自らをアップデートすることの必要性の高まり
  • 新しい働き方や雇用形態の多様化に伴う社会人の学び直し、リカレント・リスキリング教育ニーズの増加
  • 高等教育を含む学校におけるデジタル技術の活用、ブレンド型教育の導入による経営モデルの変革
  • あらゆる領域における一括教育から個別最適化教育への根本的なシフト

これらの大きな変化は、1998年の創業以来、一貫してオンライン教育とグローバル人材育成に軸足を置き、子どもから経営者に至る全年齢層を対象に実践的教育を提供してきた当社にとって非常に大きな成長機会となります。今後、Edtech領域におけるリーディングカンパニーとなり、子どもから経営者まで、デジタル時代を勝ち抜く人材を育成するための総合ノウハウ(国際バカロレアとケンブリッジ大学国際教育機構の二大国際カリキュラム認定を有する日本唯一の教育機関、対話と集合知を重視したオンライン学習システム、15,000時間超のコンテンツ・ライブラリー、オンライン教育の設計・開発・運営ノウハウ、グローバル人材育成の為の各種カリキュラム体系など)を企業価値へ変換するために、今後とも開発投資を行ってまいります。

(中長期的な会社の経営戦略)

当社グループは、2023年3月期から2025年の3か年を対象とする『中期経営計画2022-24』を策定いたしました。5つの重点強化事業である、「法人向け人材育成事業系」、「University事業系」、「英語教育事業系」、「ITマネジメント事業系」、「インターナショナルスクール事業系」を中心に、それぞれの事業規模の拡大を図り、「中期経営計画2022-24」の目標数値である最終年度2025年3月期において売上高100億円、営業利益10.5億円、当期純利益7億円の達成を目指し、更なる企業価値の向上を図ってまいります。
また、当社の独自開発のオンライン教育プラットフォームである「AirCampus®」、「AirSearch」においては、AIによる受講状況の判定機能により受講サポートを強化するDX化や、ChatGPT等生成系AIの実装のほか、自動翻訳・字幕機能を実装し、聴覚障害者にも健常者と同様の教育機会を提供するSDGs施策等にも取り組んでおり、今後とも一層推進してまいります。