グローバルビジネスで戦える人材になるためのヒント"The Essence of BBT"
Vol.21 もしも、あなたが「DMM.comの会長」ならば

2016年7月22日発売の「BBT Real Time Online Case Study」 Vol.21には、以下の2本が収録されています。今回は、CaseStudy1「あなたがDMM.comの会長ならば」の一部をご紹介します。

 

│CaseStudy1│
あなたがDMM.comの会長ならば
日本のユニコーン企業とも言われるほど売上を伸ばしている今
今後の成長戦略をどう考えるか?

 

│CaseStudy2│
あなたがオートバックスセブンの社長ならば
自動車普及率が減少する中
いかなる打ち手によって業績を向上させるか?

 

 

◎書籍版(電子/紙)は以下の書店でお求めいただけます。

印刷書籍

shop_amazonshop_sanseidoshop_shosailogo_honto_01shop_kobo

 

電子書籍

shop_amazonshop_koboshop_iBookstoregoogleplay_logoshop_kinokuniyalogo_honto_01


◎今までのバックナンバーは全て、こちらよりご覧いただけます!◎
http://www.bbt757.com/pr/rtocs/

 

 

■あなたが「DMM.comの会長」ならばどうするか?

QUESTION:今回のリアルタイムケース

あなたがDMM.comの会長ならば
日本のユニコーン企業とも言われるほど売上を伸ばしている今
今後の成長戦略をどう考えるか?

 

【BBT-Analyze】大前研一はこう考える~もしも私がDMM.comの会長ならば~

大前の考える今回のケースにおける課題とは

米国では企業価値の評価額が10億ドルを超える非上場のベンチャーを“ユニコーン企業”と呼んでいるが、日本におけるユニコーン企業の一つとして注目されている企業がDMM.comグループである。同社の事業概要を一言で説明することは難しいが、あえて言うならば、アダルトコンテンツ事業を中核とするベンチャーキャピタルと言えよう。現在、同社の手がける事業は多岐にわたるが、収益の多くをアダルトコンテンツ事業が生み出しており、その収益を原資に様々な新規事業を創出することをグループの成長戦略と位置付けている。しかし、アダルトコンテンツを中核事業としているため、倫理上の問題から同社が手がけるベンチャーが株式公開を果たした実績はない。新規事業の創出を成長戦略とする同社としては、より優れた起業家や事業アイデアを集めるため、株式公開を目指せる事業体制を構築することが課題となっている。

 

※本解説は2016/4/24 BBT放送のRTOCS©をもとに編集・収録しています。

 

 

◆DMM.comグループの沿革と事業展開

#レンタルビデオ店からスタートし、アダルトビデオ事業で国内最大手に成長

DMM.comグループは、オンラインプラットフォーム「DMM.com」を中心とした企業グループです(図-1)。

スライド1

図1

グループを率いる亀山敬司氏は、20代前半で出身地の石川県加賀市で雀荘とバーを経営し、1986年にレンタルビデオ店を開業しました(図-2)。ある日、近未来を描いた映画を見たことをきっかけに、映像コンテンツはいずれ電子配信に置き換わると直感、レンタルビデオ業界の将来性を悲観した亀山氏は、コンテンツメーカーになることで生き残ることを標榜し、1990年にアダルトビデオ(AV)制作に参入しました。AV事業はやがて国内最大手に成長、DMM.comグループを資金面で支えています。

スライド2

図2

1999年には動画配信や通販事業への本格展開を狙い「デジタルメディアマート」(現DMM.com)を設立、積極的なテレビCMにより知名度を上げつつ、次々と新規事業への投資を進めていきました。2009年にはFX事業会社(現DMM.com証券)を買収したことで、グループのオンラインプラットフォーム事業の成長は急加速しました。

 

 

#枠組みのない事業展開

DMM.comグループの手がけるサービスを見ると、何をやっている会社なのか、何を目指している会社なのか、というものがよくわかりません。動画配信、電子書籍、オンラインゲーム、レンタル、通販、英会話、FX、会食・合コンのマッチング(肉会)、ソーラーパネル、3Dプリンター、ロボットといったように、事業に一貫性や方向性が全く見えません(図-3)。

スライド3

図3

 

DMM.comグループのホームページには、「事業紹介」として次のように書いてあります。

「あたらしい」を、続々と。

動画配信、通販、レンタル、オンラインゲーム、英会話、ソーラーパネル、3Dプリンター。

私たちの事業には、枠組みというものがありません。

「オモシロい」と思ったら、すぐに検討。「可能性がある」と思ったらすぐに実行。

成功した事業の裏には、だから、たくさんの失敗もある。

むしろ、失敗することより、チャレンジしないことのほうが怖い。

新しいことをつくり出す力と、つくり出したい気持ちと、なんにでも目をつける好奇心を、

ここで発揮しませんか?

(DMM.com採用情報より、太字は著者編集)

 

驚くべきことに、「事業に枠組みがなく、思いついたことはすぐに検討・実行する」、これがDMM.comグループの事業戦略であると明記してあります。普通の事業会社であれば、目的・理念があり、その会社が社会に提供する価値、すなわち事業領域(枠組み)が明確です。そして、目的・理念を達成するために事業戦略があり、その戦略に沿って限られた経営資源を配分していきます。しかし、DMM.comグループは新規事業をつくり出すこと自体を目的としているため、決まった事業の枠組みを持たず、新規事業を創出することに全ての経営資源を配分することが事業戦略となっているのです。

なぜ、このような経営が可能なのかを次に見ていきましょう。

 

 

 

◆安定を支えるアダルト事業、成長を牽引する新規事業

#アダルト関連事業の利益で様々な新規事業に参入

DMM.comグループの事業は多岐にわたりますが、大きく「アダルト関連事業群」と「新規事業群」に分類できます。グループ会社の資本関係をまとめたのが[図-4/DMM.comグループの全体像]です。アダルト関連事業群が安定したキャッシュを生んでいます。このキャッシュを新規事業に投資し、これらの新規事業をオンラインプラットフォームのDMM.comを通じて展開しています。

スライド4

図4

 

 

#独自の“ピンクオーシャン市場”で安定したキャッシュフローを生む

アダルト関連事業がなぜ、安定した利益を生み出しているのか。それは亀山氏が“ピンクオーシャン市場”と呼ぶアダルト業界の特徴が関係しています。まず、この業界には社会的体裁を気にする大企業が参入してこないという、独特な参入障壁によって守られています。そして、この業界は人間の三大欲求の一つに根ざしているため、非常に底堅い需要に支えられており、これが安定したキャッシュフローを生み出すのです(図-5)。

スライド5

図5

DMM.comグループはアダルト業界という“ピンクオーシャン市場”において国内最大手というポジションを確立しています。このように、アダルト関連事業が生み出すキャッシュがグループの安定を支え、それを原資に創出された新規事業群がグループの成長を牽引するという独特な事業モデルを構築しているのです。

 

 

#グループ連結売上高は1,358億円、年率26%の上昇

[図-6/DMM.comグループの連結売上高]が示すように、グループの連結売上高は直近5年で年率26%も伸びており、2016年2月期は1,358億円に達しています。

スライド6

図6

連結業績の詳細は非公表であるため、会社ごとの単体売上高を見ると、一般顧客向けサービスのポータルであるDMM.comが成長を牽引していることがわかります(図-7)。

スライド7

図7

会社別の単体純利益では、FX・CFD事業のDMM.com証券が大きく貢献しています(図-8)。

スライド8

図8

 

 

◆さらなる成長のため、インセンティブのあるオープンなモデル構築を

#外部起業家との業務委託契約で新事業を育成

DMM.comグループの今後の成長は、新規事業をどれだけ創出できるかにかかっています。新規事業を開発する仕組みとして、2011年に亀山直属プロジェクト、通称「亀チョク」を設置しました(図-9)。これは、社内外から事業アイデアを募って亀山氏が直接審査し、事業資金を提供する仕組みです。事業アイデアを持ち込んだ起業家と業務委託契約を結び、事業資金と実働部隊を提供します。半年以内に新規事業の成果が見られなければ契約打ち切りというルールです。これは言わば亀山氏がベンチャーキャピタリストとして事業資金を提供するというものです。

スライド9

図9

この仕組みでは投資リスクは全て亀山氏が負うため、起業家が返済リスクなどを負うことはありません。一般的なベンチャーキャピタルでは最終的に上場やM&Aによって、保有株式を売却することにより投資資金を回収します。しかし、DMM.comグループのこれまでの実績を見ると、株式上場や事業譲渡により投資資金を回収したことはありません。亀山氏が出資した新規事業は亀山氏やDMM.comグループが全ての株式を保有したまま事業を続けています。これは、DMM.comグループがアダルトコンテンツを事業の中核としているため、社会通念上、倫理上の問題から株式公開が困難という事情があります。

このことは、新規事業を持ち込む起業家にとっては、株式公開というインセンティブが働かないということであり、DMM.comグループにとっては、小粒な起業家やアイデアしか集まらず、新規事業開発による成長戦略の阻害要因となります。

 

・・・・・・・・・・・<続きは書籍版で>

各ケースの”今”について、どのような課題を見い出し、あなたは何を導き出しますか?
ぜひこの書籍を通じて、”実践的な思考プロセス”を育ててください。

 

 

■書籍版のお求めはこちらから
本シリーズは下記WEBストアでのみの限定販売としております。

 

印刷書籍

shop_amazonshop_sanseidoshop_shosailogo_honto_01shop_kobo

 

電子書籍

shop_amazonshop_koboshop_iBookstoregoogleplay_logoshop_kinokuniyalogo_honto_01

 

 

 

◎今までのバックナンバーは全て、こちらよりご覧いただけます!◎
http://www.bbt757.com/pr/rtocs/

 

 

 

■RTOCS®プログラムに参加するには
RTOCS®にご興味のある方は下記URLをご参照ください。

 

<RTOCSに取り組むプログラム>
・BBT大学
経営学部 http://bbt.ac/
経営学研究科 http://www.ohmae.ac.jp/
・ボンド大学大学院ビジネススクール
BBTグローバルリーダーシップMBAプログラム  http://www.bbt757.com/bond/
・大前経営塾 http://www.bbt757.com/keieijukup/
・リーダーシップ・アクションプログラム http://www.ohmae.ac.jp/ex/leadership/

 

<RTOCS®を視聴可能なプログラム>
・Business Breakthrough Ch(ビジネス・ブレークスルーチャンネル) http://bb.bbt757.com/
・BBT Learning Market http://bb.bbt757.com/market/

 

<RTOCS®の基礎となる思考法を学ぶプログラム>
・問題解決力トレーニングプログラム  http://www.lt-empower.com/

 

RTOCS®は、株式会社ビジネス・ブレークスルー(BBT)が運営する「スカパー!」のビジネス専門チャンネル「Business Breakthrough Ch(ビジネス・ブレークスルーチャンネル)」の看板番組「大前研一ライブ」で視聴することができます。「大前研一ライブ」では毎週、その週に起こった日本や世界の主要なトピックやキーとなるニュースを、大前研一独自の問題解決の視点と分析力で解説。本チャンネル会員の方をはじめ、全てのBBT会員の方に視聴いただけます。また、BBT Learning Marketより、番組単位でご購入いただくことも可能です。

 

Tweet about this on TwitterShare on Google+Share on Facebook