グローバルビジネスで戦える人材になるためのヒント"The Essence of BBT"
Vol.24 もしも、あなたが「MonotaROの社長」ならば

2016年10月28日発売の「BBT Real Time Online Case Study」 Vol.24には、以下の2本が収録されています。今回はCaseStudy1「あなたがMonotaROの社長ならば」の一部を公開いたします。

RTOCS24_表紙

 

│CaseStudy1│
あなたがMonotaROの社長ならば、
アマゾンなどが関連商品の販売を拡大している中
今後どのような戦略をとるか?

 

│CaseStudy2│
あなたがSGホールディングスの会長ならば、
宅配事業でアマゾンと決別した今、
いかにヤマトと差別化を図りつつ事業を再構築していくか?

 

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■あなたが「MonotaROの社長」ならばどうするか?

QUESTION:今回のリアルタイムケース
あなたがMonotaROの社長ならば、
アマゾンなどが関連商品の販売を拡大している中今後どのような戦略をとるか?

 

【BBT-Analyze】大前研一はこう考える~もしも私が次期イギリス首相ならば~

大前の考える今回のケースにおける課題とは

事業者向けにMROの通販事業を展開するMonotaROは、900万点ものMRO商品を取り扱う強みを生かして、主に中小企業を顧客とし、売上高を順調に伸ばしている。MRO全体の市場規模は5兆~10兆円と大きいものの、大企業などの需要を取り込めていないMonotaROの売上高は500億円台にとどまる。さらに近年、競合他社によるMRO通販事業への参入が続く中、いかに大企業向けの購買ネットワークに入り込みつつ、競合他社との差別化を図っていくかが課題である。

 

※本解説は2016/2/7 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。

 

◆ロングテールを強みに年率72%で成長

# 住友商事と米MRO大手グレンジャーの合弁として設立

MonotaROはMROのB to B通販事業を展開する会社です。2000年に兵庫県尼崎市で創業し、2015年12月期の売上高は576億円です。MROは企業が購入・調達する備品や消耗品を指し、MonotaROはこのうち製造業や工事業、自動車整備業で使われる工具、部品、消耗品を中心に取り扱っています。

MonotaROは当初、住友商事とMROの大手販売会社である米グレンジャーの合弁により、「住商グレンジャー」として設立されました(図-1)。2006年2月に社名をMonotaROに変更した後、個人消費者向け通販サイトを開設、同年12月には東証マザーズに上場しています。その後、2009年9月に米グレンジャーのTOBにより同社の連結子会社となり、東証1部に市場変更しました。最近では農業資材・厨房用品、医療・介護用品にも参入しています。なお現在、住友商事との資本関係はありません。

スライド1

 

 

#黒字に転換した後、ほぼ増収増益が続く

2015年末時点におけるMonotaROの会員口座数は178万口座、取扱商品点数は900万点と非常に多くの商品数を取り扱っています(図-2)。いわゆる「ロングテール」で、売れ筋の商品だけでなく、販売頻度の低いニッチな商品も幅広く取りそろえることで機会損失を防ぎ、全体の売上高を伸ばすという販売手法をとっています。たとえニッチなものであっても、MonotaROの通販サイトを見ると必ず商品が見つかることで、顧客から信頼を得ているのです。まさに、ロングテールがMonotaROの強みと言えるでしょう。

スライド2

次に、業績の推移を見てみましょう(図-3)。売上高は年平均成長率72%もの高さで成長しています。創業から5年目までは営業利益、純利益ともに毎年赤字でしたが、2005年にはいずれも黒字に転換。それ以降はほぼ増収増益が続いており、2015年の純利益は44億円に上りました。

スライド3

MonotaROの主な顧客は中小企業です。[図-4/MonotaROの顧客の従業員規模分布]にあるように、顧客企業の8割超が従業員100人以下の企業であり、また6割超が30人以下の企業です。

スライド4

大企業向けのMRO流通では商材ごとに専門商社から一定量をまとめ買いします。商品単価は購入量に応じてその都度変動しますが、一般的に購入量が多いほど割引率が高くなります。しかし、中小零細企業ではボリュームディスカウントがはたらくほどのニーズはなく、不足したものをその都度買い足すという購買パターンが主流です。このような中小零細企業にとって、必要な時に必要な量だけをワンストップ・ワンプライスで購入できるMonotaROはたいへん利便性が高いのです。このようにMonotaROは中小零細企業のニーズを捉えることで、順調に売上高を伸ばしてきました。

 

 

 

◆大手が売上高のほとんどを占めるMRO市場

#市場規模は大きく、MRO通販の潜在ニーズは高い

MROの市場規模は実はとても大きく、同社の試算によると市場規模は少なく見積もって5兆円、業界別に市場規模を積み上げて試算すると10兆円になると見ています(図-5)。

スライド5

しかし、そのほとんどは大手の専門商社を中心とした対面販売ですので、代替チャネルとしての通販の成長余地は大きいと言えます。

B to B通販の現状を見てみましょう(図-6)。通販全体の1位はオフィス用品のアスクルです。MROに特化した企業だけで見れば、1位はミスミグループ本社で、MonotaROは2位に位置しています。しかしミスミグループ本社の売上高は2,086億円で、576億円のMonotaROとは大きな差があります。

スライド6

 

 

#MRO市場を仲介する専門商社の役割

MonotaROの主力事業は事業者向けのMRO通販事業ですが、このMRO業界には個人向けの商材を扱う通販事業者が参入してくるという事例はありませんでした。というのも、MROは各種製造業、建築・土木と業界が多岐にわたり、さらに商品ごとにサプライヤーが異なるため、専門商社でないと扱えないという事情があります(図-7)。MROはある意味、特殊な商品ですし、アイテム数も多い。このような事情から、MRO市場には個人消費者向けの通販事業者は容易に参入できないのです。

スライド7

現在、MRO市場において売上高の多くを占めるのは対面取引を主体とする大手専門商社です。[図-8/MROの主な競合の売上高]を見ると分かりますが、MRO業界トップのユアサ商事、2位の山善は売上高が4,000億円を超え、576億円のMonotaROの7倍以上です。その後、3位にミスミグループ本社、4位にトラスコ中山が続きます。ユアサ商事、山善、トラスコ中山は対面取引主体の専門商社です。ボリュームディスカウントを武器にできるこれら大手専門商社が大企業と独自の購買ネットワークを構築し、大きな売上高を達成しています。

スライド8

 

 

#MRO通販への参入状況

専門商社の中には通販への取り組みを強化している事業者もいます。ミスミグループ本社は早くから中間流通の電子化を進め、中小企業から大企業まで幅広くカバーするECプラットフォームを構築しています(図-9)。顧客の中心は大企業でしたが、中小企業にも使ってもらいやすいよう、通販サイトの商品のデータベースを整備しました。コールセンターも設置し、顧客向けのサービスにも力を入れています。対面取引を主体とする大手専門商社の中では、ミスミグループ本社は通販主体で大手の一角に位置しています。

スライド9

そして最近では、他業界からの参入が困難とされてきたMRO市場にも異業種からの参入が起きています(図-10)。法人向け通販最大手でオフィス用品を扱うアスクルはMRO大手のトラスコ中山と提携し、MRO市場への参入を強化しています。トラスコ中山はアスクルの通販プラットフォームを利用して中小企業にまで販路を拡大でき、アスクルは企業向けの商品点数を拡大できるという補完的な提携となっています。

スライド10

さらに、国内通販最大手のアマゾンはMROを扱う「産業・研究開発用品ストア」を開設し、2015年から本格的に展開しています。これまでアマゾンは本やDVDの取り扱いから始まり、家電、PC・オフィス用品、日用品、家具、ファッション、食料品など、当時は通販になじまないと思われていた領域にも勢力を拡大してきた実績とノウハウがあります。しかし、アマゾンを利用する一般個人の顧客層とMROの顧客層は重なりません。個人消費者向け通販では圧倒的な知名度と利便性を誇るアマゾンですが、法人の購買ネットワークに入り込んでいくには高い障壁があると思われます。「サイトを開設しましたので買ってください」という受身の姿勢では法人顧客を開拓していくのは難しいでしょう。

 

 

 

◆プラットフォーマーとしての地位の確立を

#大企業の購買ネットワークに入り込みつつ、競合他社との差別化を図ることが課題

MonotaROの現状と課題を整理しましょう(図-11)。創業以来、年率72%もの高い成長を続け、ワンストップ・ワンプライスでのMRO通販という強みを生かして主に中小企業を主な顧客として順調に伸びてきました。

スライド11

MRO全体の市場規模は5兆~10兆円と大きいものの、MonotaROは大企業などの需要を取り込めておらず、売上高は500億円台にとどまっています。しかし現在は対面販売から通販チャネルへの移行期であるため、成長の余地は大きいでしょう。

伝統的商社が大企業の購買ネットワークをすでに確保しており、ミスミグループ本社などが通販チャネルを拡充、アスクルなどが専門商社と提携して通販を拡充してきています。

このような状況の中、MonotaROがいかに大企業の購買ネットワークに入り込みつつ、競合他社との差別化を図っていくかが課題です。

 

・・・・・・・・・・・<続きは書籍版で>

 

各ケースの”今”について、どのような課題を見い出し、あなたは何を導き出しますか?
ぜひこの書籍を通じて、”実践的な思考プロセス”を育ててください。
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