日本語/English
TOP ニュースリリーストップ ニュースリリース 創造性を発揮する個人と、創造性の高い組織を生み出す要因は何か BBTクリエイティブ・クライメイト・サーベイの予備調査報告 ~人と組織を組織風土、組織状況、コンピテンシーの3つの観点から測定~

創造性を発揮する個人と、創造性の高い組織を生み出す要因は何か BBTクリエイティブ・クライメイト・サーベイの予備調査報告 ~人と組織を組織風土、組織状況、コンピテンシーの3つの観点から測定~

2023年7月19日
 
創造性を発揮する個人と、創造性の高い組織を生み出す要因は何か
BBTクリエイティブ・クライメイト・サーベイの予備調査報告
~人と組織を組織風土、組織状況、コンピテンシーの3つの観点から測定~

 

あらゆる年齢層に対して生涯にわたるリカレント教育を提供する株式会社ビジネス・ブレークスルー(所在地:東京都千代田区、代表取締役:柴田巌、以下BBT)は、「クリエイティビティを最大限に引き出す組織」と「そのような素養を持つ個人のプロファイルは何か」を客観的に評価するサーベイツール『BBTクリエイティブ・クライメイト・サーベイ』を開発し、事業会社289社に対して調査いたしました。
創造性を発揮する個人と、創造性の高い組織を生み出す要因について、組織の風土、創造性発揮環境、コンピテンシーの3つの観点から予備調査を行い、今後、組織が創造性を発揮するためにどのような方向性を取らなければならないかについて以下のような示唆を見出しました。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
調査結果の総括
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.創造性の高い組織の風土
多くの組織では、未来に思いを馳せつつ、現状に対して満足していないという考えを持っているものの、その方法として前例主義から脱却できず、無駄な伝統が残り、組織の内圧が創造性を阻害している要因として大きいことがわかりました。「過去のやり方を捨てる」という、いわばアンラーニングが組織風土を変えていくために必要です。

2.創造性発揮状況の適合
余裕があり、リラックスした状態にあるとき、やりがいを感じられる仕事、社会的な意義を感じられる仕事を担当したときに創造性を発揮しやすくなる人は多い傾向にありました。しかし、現業ではその逆の状況に置かれる傾向があり、特に余裕・リラックスした状態で創造性を発揮できる人が、そうではない状況に置かれると創造性を発揮できなくなります。いずれにせよ、自身の理想と仕事を取り巻く環境のギャップは非常に大きく、ギャップが小さいほど組織の創造性は高くなります。

3.創造的な個人と組織のコンピテンシー
個人でも組織でも顕著なのが「経済性」に対する弱さです。ニーズを捉えて何かを創り上げるという初動の「計画」を立てる力はあるものの、成果物に対して適正な価格設定を行い、商品として世の中へ提供していく力が弱いことがわかりました。 頭の中で考えたり、計画にばかり固執するのではなく、自分自身の手で具体的な物を生み出す体験などを行い、成果物を創出することへのこだわりや、粘り強さを身に着けることが必要です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
調査結果の一部
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●所属している組織、部署の雰囲気について
「現状への満足(当てはまらない:55.4%)」と「未来無視(当てはまらない:58.8%)」という結果から、各組織では未来に向けて「現状のままではいけない」というマインドが見られます。一方、「無駄な伝統(当てはまる:62.3%)」と「前例主義(当てはまる:50.6%)」という問題も指摘されており、過去のやり方を捨てきれず、新しいやり方を取り入れられない組織文化が創造性を阻害しているという状況が見受けられます。

●所属している組織、部署で働く人と仕事の取り組み方について
創造性の発揮には「余裕のある状況(4.96ポイント)」や「リラックスした状況(5.47ポイント)」が望ましいとされる一方で、現状は「緊迫した状況(3.58ポイント)」であり、「引き締め(4.25ポイント)」の状況が続いています。創造性が発揮できる環境は個人によって異なるため、一律で特定の環境を作ることが組織の創造性発揮に寄与するわけではありません。ただし、1人1人の創造性を発揮しやすい環境や仕事への配慮が不可欠であり、そうでなければ創造的な活動が行われることは期待できません。

●創造的なコンピテンシーの発揮について
「ニーズを持つ意味を見極める力(5.10ポイント)」や、「最終目的を明確かつ具体的に設定する力(5.02ポイント)」は回答の上位5つの中に現れ、創造性を発揮するための「計画」段階の力があることがわかります。一方、「売り物として具現化する力(4.18ポイント)」や、「価値を正確に金額換算する力(4.04ポイント)」が下位5つの中に現れ、成果物を生み出し、世の中に発信して対価を得るという「具現化」まで至る力が弱いことが明らかとなりました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
調査結果に対する今後の見通し
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
組織は、サーベイにより自組織の創造性の程度を可視化し、理解することが求められます。また、創造性を阻害する要因を除外するために必要な変革も行っていく必要があります。例えば、新規事業という1つのプロジェクトを通じて組織の変化に着手し、また1対1のコーチングといった手法で個人・組織の対話のあり方を観察し、改善していくといった方法が考えられます。

変革の取り組み方は組織の状況によって最適なものを選ぶ必要があります。調査はあくまで現状把握であるため、特定された課題やネガティブ要因を排除し、創造性を高めることがこれからの世の中の変化に対応し、新しい価値を生み出す集団へと生まれ変わる鍵となります。

●調査概要
【アンケート】
・調査対象:289社(2023年5月8日時点)
・調査方法:インターネットによるアンケート形式
・調査期間:2023/4/11(火)~2023/5/8(月)
・有効回答数:233、回答率:80.6%

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サーベイ開発者からのコメント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●川上 真史教授(経営学部グローバル経営学科 教授)
まずは自身の会社の風土を調べてみること。そして、成果目標を設定し、その目標に対して評価される組織を開発することが必要です。就業環境を整備するのであれば、「どのような環境が多くの人の創造性につながるのか」「社内はその環境とどれくらい適合しているのか」を調査して把握するのが第一歩です。就業環境だけでなく、プロジェクトチームの構成を検討することも効果的であり、創造性が高まる環境と人の組み合わせを考えてプロジェクトチームを構成することで、創造性を伸ばせます。

一方で、個人の取り組みとしては、自分の仕事のやり方を少しずつ変える「ジョブクラフティング」を提案します。すべての環境を変えるのではなく、自分が創造性を発揮できる方法が分かったら、それを自発的に仕事に組み込むことで、個人と組織の創造性は高まっていきます。



●竹内 雅則氏(経営学部経営学研究科 講師・株式会社ヴィンクス取締役常務執行役員)
日本の企業は欧米と比べ生産性が低いと言われています。また、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目標に掲げているものの、十分な成果が得られていないのが実情です。これらの問題の解決には、創造性を発揮する個人の存在と、それを支える組織の構築は欠かせない項目であるはずです。一方、現状を調査すると、経営としては革新的な取組みを目指していても現場の意思決定においては前例主義となっているなど、個人の創造性を阻害する要因が多く見られます。まずは、自社の置かれている状況を正確に把握し、創造性の高い社員がその能力を最大限に発揮できる環境の整備が急がれます。






●柴田 巌氏(株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長)
企業経営における「創造性」とは、「市場や顧客が求める新しい価値を創造し、それをマネタイズする事」でもあります。過去30年間、日本のGDPは横ばいです。国民一人当たりの生産性も全くと言っていいほど増えていません。平成元年に時価総額で世界トップ10に半数以上ランクインしていた日本企業は、現在は1社もトップ10入りしていません。他方、米国のGAFAM、中国のBATH、中東のエネルギー企業等が価値を増大した事は周知のとおりです。ポストコロナ時代となりリモートとリアルの融合が益々加速しそうです。同時に、ChatGPT等のAIや人間の行為を代替するテクノロジーが経済社会のあらゆる側面で活用される可能性が増しています。有効活用すれば社会の富や企業の価値を増大するでしょう。逆もまた真なりです。今後の企業戦略において、これらの技術も駆使しながら、「新しい価値を産み出す=創造する」コンピテンシーを強化する事は最も重要な要素となると考えております。




今回のサーベイはこのような背景を踏まえ、また、川上先生、竹内先生のご指導の下、企業経営における創造性について
・ 会社全体
・ 事業部等のチームや組織
・ 個人

以上の3つの観点から、できるだけ科学的・客観的にアプローチを試みました。「新事業開発がなかなか進まない、原因を知りたい」「創造性を生み出す組織へ変革するための改善ポイントを可視化したい」そのようなニーズのある企業の皆様に、適切なガイドを提供するサービスとなっています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BBT クリエイティブ・クライメイト・サーベイとは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BBTクリエイティブ・クライメイト・サーベイとは、「クリエイティビティを奨励、醸成、最大限に引き出す組織風土」と「そのような素養を持つ個人のプロファイルは何か」を客観的に評価する、BBT独自のサーベイツールです。この調査は、「組織の創造性」が発揮できる状態にあるかどうかを可視化し、改善点を明確にしていくことを目的として開発されました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


BBTlogo.jpgグローバル環境で活躍できる人材の育成を目的として1998年に世界的経営コンサルタント大前研一により設立された教育会社。設立当初から革新的な遠隔教育システムによる双方向性を確保した質の高い教育の提供を目指し、多様な配信メディアを通じてマネジメント教育プログラムを提供。大学、大学院、起業家養成プログラム、ビジネス英語や経営者のための勉強会等多用な教育プログラムを運営するほか、法人研修の提供やTV番組の制作などあらゆる年齢層に対し生涯に渡る「リカレント教育」を提供する。在籍会員数約1万人、輩出人数はのべ約5万人以上。また、1,300社以上の企業に対して研修を提供。2013年10月のアオバジャパン・インターナショナルスクールへの経営参加を契機に、生涯の学習をサポートするプラットフォーム構築をグループ戦略の柱の1つとして明確に位置づけている。
https://www.bbt757.com


▼取材に関するお問い合わせ
株式会社ビジネス・ブレークスルー コーポレート・コミュニケーション部:高橋
メールアドレス:bbt-pr@bbt757.com
BBTのプレスリリース:https://www.bbt757.com/news_release/

 
BBTクリエイティブ・クライメイト・サーベイの調査報告.pdf