お知らせ 2020.05.15

【大前研一ライブ】東京オリンピック、2021年の開催は実現するのか?

大前研一が、世界と日本で一週間に起こった出来事から、注目すべきニュースを独自の視点から解説するのが「大前研一ライブ」(6,000時間以上のビジネスコンテツを、PC、スマートフォン等で受講できるBusiness Breakthrough Chで提供)。
今週の「大前研一ライブ」より、一部をご紹介します。

●東京オリンピック、2021年の開催は実現するのか?

 

東京オリンピック・パラリンピックの1年延期に伴い、2021年の海の日(7月第3月曜日)、スポーツの日(体育の日から改称、10月第2月曜日)、山の日の(8月11日)の3つの祝日を、開会・閉会式前後に移動させ、連休とする見通しであることが報道されています。


小池知事が、新型コロナウイルスに関する緊急記者会見の流れを遮ってまで、既に報道されている東京オリンピック開催延期決定を報告したのは、「都市の封鎖、いわゆるロックダウンなど、強力な措置をとらざるを得ない状況が出てくる可能性」を示したわずか数日後。それ程東京オリンピックの開催は、東京にとって重要です。


頭の中では新型コロナウイルス感染リスクを克服し、来年2021年7月23日より東京オリンピックを開催する流れになっていますが、今となっては、かなり難しいだろうと思います。


特に、今月5月6日から不要不急の外出自粛を解除した矢先に集団感染が発生した韓国の第二波、第三波がどうなるかによりますが、日本も含め世界各国に同様の事態が発生する可能性があります。そして、医療環境が整っていない途上国で新型コロナウイルスが蔓延した場合等を考慮すると、全世界での終息には相当な期間がかかることが予想されます。
オリンピック開催の難しさは、日本で開催環境が整っても、そうでない国が残ってしまうことです。そうなると、極論では無観客開催となりますし、自国での新型コロナウイルスのピーク時期によっては、出場選手が良い環境で練習できない不安・不満が出てきます。


東京オリンピック開催を1年延長したものの、その1年の猶予期間が不安になってきたのが、この1か月間ではないかと思います。
新型コロナウイルスの素性は、実はまだよくわかってはいません。
ワクチンの開発・実用や治療で、完全に抑えることができるようになるのか、ここが重要です。しかし、これ自体も早期実現はクエスチョンマークです。


東京オリンピック開催について、いま現在、さらなる順延を決める必要はありませんが、2021年以降の再延期はありえないと大会組織委員会の森喜朗会長が言っています。
そうなると、オリンピック開催は中止・返上となります。
開催が困難な場合は、明確に返上してしまって、2028年のパリ、2032年のロスアンゼルス後の開催へ再立候補したら間違いなくもらえると思います。
いずれにしても微妙な状況に来ていると思います。

 

(2020年5月10日大前研一ライブより編集)


 

「大前研一ライブ」は、多くの企業で役員研修や次世代リーダーの養成等に活用いただいています。

オンラインでの学びを活用した企業研修につきまして、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

一覧へ戻る
bullet_right icon_tel icon_tel