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CASE革命 ~自動車産業の未来図~

CASE革命 ~自動車産業の未来図~
2023.03.24 CASE革命デジタル革命自動車産業

本記事は、ビジネス・ブレークスルー(BBT)が提供する、7,000時間超のビジネス動画が見放題の学習サービスAirSearchより「CASE革命 ~自動車産業の未来図~ 講師:中西孝樹氏 株式会社ナカニシ自動車産業リサーチ 代表アナリスト 2020年12月24日配信」を一部抜粋した内容です。

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CASE革命 ~自動車産業の未来図~

CASEとは、Connected(自動車がIoT端末になる)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(共有サービス)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語で、2016年にダイムラー社が発表した中長期戦略でしたが、自動車業界全体と一致したため広く使われるようになったものです。この長期戦略は、自動車を所有するか、モビリティサービスを利用するかという選択肢を顧客に提供するとともに、都市交通においてこれまでにない効率性と利便性を実現し、交通全体の環境負荷を低減することを目的としています。
この取り組みは、完全に連結された自動運転システム、モビリティ管理、および共有車両と接続されたデジタルモビリティサービスの提供を通じて達成されると期待されています。
また、バッテリー技術の向上や双方向の電力利用の拡大など、電送システムの大規模な導入も必要です。
ダイムラーを始め伝統的完成車メーカーは、CASE戦略を推進するべく、先進的なソリューションの実現に真摯に取り組んでいます。
本番組では、自動車アナリストである中西孝樹氏が自動車のデジタル革命について4回に分けて解説します。

 

1885年、ダイムラー社がガソリン自動車を発明し、1908年にはフォード社がT型フォードの量産を開始しました。30年後にはすべての交通手段が馬車に取って代わられ、100年後の今、まさにデジタル革命が起きています。
日本では、自動車が稼働している時間は4%程度で、ほとんどの時間は駐車場に停まっています。
また、所有せず複数人でシェアする取り組みや、ロボタクシーや空飛ぶタクシーなど、資産の有効活用と事故や渋滞を回避する取り組みが始まっています。
さらに、内燃機関による自動車の走行禁止や電気自動車の奨励など、世界各地で環境対策が行われています。

 

このような背景から、徒歩、バス、電車、タクシー、自転車など、あらゆる交通手段を効率的に組み合わせ、A地点からB地点までの検索・予約・決済情報を専用アプリケーションで提供するMaaS(Mobility as a Service)システムの導入が進んでいます。
必要に応じて乗客や商品、サービスを移動させることができるため、事実上、MaaSのプライベート版と言えるでしょう。
また、Autonomous Air Mobility(AAM)と呼ばれる、将来の空飛ぶタクシーサービスの実現に向けた取り組みも進められています。これらの開発により、企業や個人が必要な交通サービスを迅速、安全、便利に利用するための新たな機会が提供されます。

 

自動車の価値は所有から利用へ、産業構造は顧客や自動車メーカーからGoogleやUberなどのプロバイダーへ、下請け企業はOEM(自社製品を別ブランドで販売するメーカー)と対等のパートナーへ、ディーラーは販売よりもサービスに注力、競争力は量や規模からデータやプラットフォームの充実へと変化していくでしょう。

 

このため、自動車業界における伝統的企業は、データ主導の洞察、予測分析、機械学習などのテクノロジー主導のツールを優先することが不可欠になります。
自動車メーカーは、ITサービスを積極的に活用し、データの高いスケーラビリティと低レイテンシー処理の確保を目指すよう、業務モデルを積極的に転換する必要があります。
オーナー車には大きな構造変化はありませんが、MaaS車は完全自動運転化や半導体・通信技術の融合により、劇的に進化することが予想されます。

 

したがって、自動車業界はバリューチェーンを守るだけでなく、グーグルやアマゾンなどのテックジャイアントと競合・協業するプラットフォームを構築する必要があります。
また、自動車に車両オペレーティングシステムが導入され、ハードとソフトの役割分担がより明確になると予想されます。
また、付加価値のソリューションがソフトウエアに大きく依存するようになるため、すべての自動車メーカーが優先的に取り組むべき重要な要素となっています。
トヨタ自動車は、クルマから生活や街につながるOSの実現を目指しており、他の自動車メーカーも追従をすることで業界をリードしていくことができるようになるでしょう。

 

今後、自動車はコンテンツを含めて大きく変貌を遂げると予想され、それに対応できるかどうかはメーカー間で大きな隔たりがあるのが現状です。
自動車は他の製品よりも長い改革の過渡期にあるため、変化が広く表れるのは2025年から2030年にかけてと予想されます。
未来の自動車産業で成功するためには、各自動車メーカーにおいて従来のオペレーションモデルを変革し、テクノロジー、データ駆動型インサイト、ソフトウエア駆動型イノベーションを優先させることに注力する必要があります。

 

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