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世界を読み解く宗教入門 > 世界を読み解く宗教入門 05

宗教と政治


概要:
本シリーズ最終回は、現代のグローバル世界から近現代日本に至るまで、主に宗教的要因から来る「熱さ」について、米国、欧州、中東、日本に焦点を当てて探っていく。とかく日本人には縁遠い一神教を、分からないと思考から排除せず、歴史的背景などを通して日本なりに理解を進め多様性を認め合うことが重要で、そこに包摂の精神も生まれてくる。国境を越えるビジネスが大きく進展し、さらに最近ではコロナウイルス感染が拡大する中、宗教理解は安定した新しい世界秩序を目指す上での入り口になる。
宗教改革に端を発した欧州の三十年戦争は1648年、史上初の多国間条約「ウエストファリア条約」締結により終結した。この条約は、公的領域から私的領域へ移行する宗教の世俗化を進めて政教分離を徹底し、主権国家の領土と相互内政不干渉の原則を確立して現代まで至るが、近年は体制に対する挑戦が世界中で顕在化しつつある。

主だった地域を見ていく。米国は世俗化と多元化は進むものの、高い宗教性は維持する。同国の政教分離政策は、国家と教会(宗派)との分離であり、宗教自体ではない。同国では保守派(福音派)とリベラル派が教派の違いを横断して対立を重ねる。白人中心志向の保守派は中絶や同性婚あるいは進化論や地球温暖化対策への反発が根強い。キリスト教以外の宗教を奉ずるヒスパニック等の移民が今後増えると対立が先鋭化する懸念もある。

欧州は全人口比でムスリムが約5%を占めるに至り、「新しい隣人」との関係確立という難問に直面、伝統的な政教分離と宗教多元化政策は重大な岐路に立つ。例えばドイツは、以前からのトルコ系移民に加えてシリア難民も受け入れた結果、移民が20%を超え、移民排斥を主張する政党の支持率が上がっている。正教分離を厳密に徹底するフランスでは、表現の自由をめぐり、ムスリムによるテロを招くほど深刻な対立となっている。「アラブの春」から10年を経た中東は、民主化実現には程遠い。

イスラエルとUAEなどの国交正常化は、ビジネスでの実利追求面もあろう。トランプ前米大統領のイラン核合意離脱がもたらした混乱の収束には一定の時間が必要だ。日本は明治維新後、神権政治からリベラル、デモクラシーまで一気に経験後、天皇を中心とする「国家神道」を確立、政教一致の国家体制を築いた。敗戦後は米国型民主主義をモデルとしたが、政教分離はフランス型に近いといえる。日本に重要なのは、宗教に対するDiversityとInclusionを磨くこと。新しい時代へ転換しようとしているいまこそ、日本人として宗教にどう向き合っていくのかを考えてみる必要がある。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 世界を読み解く宗教入門#5 宗教と政治
00: 00: 58 各回の概要
00: 01: 36 Overview(第5回)
00: 02: 43 1 宗教と政治の関係史-近代国家成立の背景-
00: 05: 39 資料(1)
00: 08: 11 近代国家の諸前提
00: 12: 03 2 分断する宗教国家アメリカ
00: 12: 24 アメリカ
00: 12: 41 アメリカの政教分離
00: 17: 57 アメリカの宗教
00: 21: 11 2020年大統領選挙を振り返って
00: 22: 32 【再掲】アメリカの宗教
00: 22: 49 【再掲】2020年大統領選挙を振り返って
00: 29: 46 3 新しい隣人との共存に苦慮するヨーロッパ
00: 30: 21 ヨーロッパ
00: 31: 14 ヨーロッパにおけるムスリム
00: 32: 39 移民大国ドイツ
00: 36: 12 フランスの政教分離
00: 37: 42 西洋的(フランス的)価値とイスラーム的価値の相克
00: 42: 21 4 「アラブの春」から10年を経た中東、イスラエル
00: 47: 08 中東
00: 47: 47 今後の変化
00: 52: 23 5 近現代日本における宗教と政治
00: 52: 35 資料(2)
00: 57: 00 まとめ(第5回)
講師紹介: 小原 克博(こはら かつひろ)


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  アシスタント:渡名喜 織恵

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