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世界を読み解く宗教入門 > 世界を読み解く宗教入門 04

日本の宗教
仏教・神道


概要:
日本での人生儀礼は必ずしも一定の宗教によらないことが多い。長い歴史を経た日本独自の宗教観に基づくもので、必ずしも無宗教を意味しない。八百万の神による国づくり神話を持つ神道と、中国から学び取り細かく宗派に分かれた仏教はいつしか習合するも、明治政府は国家政策として神道を重視した。その反動か敗戦後は、宗教についての公教育不足が国民の知識低下を招く事態に陥っていることは否めない。番組第4回では、激変する現代グローバル世界へ対応するためにも、日本人の精神的土壌を客観的に掘り下げてみたい。
現在、自然葬や樹木葬など墓に拘泥しない埋葬方法が注目されるが、日本はそもそも特別な人を除き伝統的に墓を残さなかった。寺院周辺などに墓地が目立つようになったのは、檀家制度による家意識が強まった江戸時代以降だ。死生観をも柔軟に変化させてきた日本だからこそ人生儀礼における宗教的一貫性の欠如にも違和感がないのかもしれない。ただ、大戦後の宗教教育不足は、オウム真理教を暴走させ、「霊感商法」などをはびこらせる土壌につながる背景となっている。一方、現代の人気アニメ作品には「鬼」や「妖怪」など日本人に通底する宗教メッセージが込められているものが多いことは注目すべきであろう。

日本人になじみ深い神道には多彩な神様が登場する。国づくりの神話上でさまざまな役割を担い、人間的な魅力にあふれている点は一神教とは対極をなす。さらに地域との一体感が大きく、神社を中心に半ば自動的に氏子となるのは仏教とも一線を画している。年間を通じて儀礼や祭礼が執り行われ、新嘗祭など多くは稲作と密接に結び付くが、京都・祇園祭は疫病収束を神に願ったのが端緒だ。日本全国の大型工事で必ず行われる地鎮祭は、その土地の神様に工事の安全を祈願するもので、ごく自然な日本人独特の宗教観であろう。

6世紀からの長い歴史を持つ日本の仏教は、東南アジアに広く普及した上座仏教とは異なり、厳格な戒律は運用されず、多くの僧侶には婚姻や肉食も認められるなど特殊性も目立つ。平安時代以降は神仏習合が基本となり、本地垂迹説が理論的根拠となると同時に、さまざまな宗派が登場した。特に鎌倉時代の浄土真宗や日蓮宗などは複雑化した旧来仏教の信仰に疑問を呈し、欧州の宗教改革と相通ずるものがある。江戸時代には、キリシタン弾圧のため寺院を軸として檀家制度が敷かれ、現代でも一定の社会的慣習として残っている。一神教ではない宗教との長い歴史的つながりを持つ日本文化を理解し、安易な日本礼賛に陥らないアイデンティティーを確立することが今後のグローバル世界では求められる。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 世界を読み解く宗教入門#4 日本の宗教 仏教・神道
00: 01: 03 各回の概要
00: 02: 13 Overview(第4回)
00: 03: 16 1 日本社会と宗教
00: 03: 37 日本人の宗教意識
00: 09: 25 日本人の死生観──死者供養の歴史的変遷
00: 15: 44 日本における宗教に対するイメージ
00: 17: 15 宗教に対する知識
00: 20: 21 日本人の「宗教性」とビジネス
00: 23: 48 2 神道から学ぶ
00: 23: 57 神道の特徴
00: 24: 17 浄と不浄の区別
00: 27: 25 伝統儀礼の重視
00: 30: 51 地域共同体との一体性
00: 34: 38 多神教
00: 38: 05 3 仏教から学ぶ
00: 38: 21 仏教とは何か
00: 40: 40 日本仏教の特徴
00: 42: 36 弱い戒律
00: 49: 24 神仏習合
00: 52: 13 檀家制度
00: 55: 33 宗派の多様性
00: 56: 51 【参考】鎌倉仏教とプロテスタントとの比較
00: 58: 16 まとめ(第4回)
講師紹介: 小原 克博(こはら かつひろ)


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  アシスタント:渡名喜 織恵

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