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経営の失敗学 > 経営の失敗学 05

失敗のパターン(3)


概要:
何に注意すれば経営の失敗を避けられるかを探る本番組第5回は、三つの視点を挙げる。一つ目は、目指していこうとする姿が正確な市場分析データに裏打ちされているか。二つ目は、不確実性とリスクに対処できるように複数のシナリオを想定しているか。三つ目は、矛盾するようだが、あまりに無難さを追求し過ぎて他社と代わり映えのしない経営戦略になってしまうことを避けていないか。新規手法を考えるイノベーション要素が重要で、多くの画期的ビジネスモデルは既存知識の新しい組み合わせであることにも注目してほしい。
経営戦略を練り上げるときには当然、市場や業界他社の動きなどの数値データに基づいて分析する。このときに意外とよくある失敗が、戦略の目的とデータとの整合性が取れていないことだ。経営の結果は数字で示される。特に市場規模からシェア目標を設定するときなど、前提条件を誤らないようにデータを活用したい。
次に注意したいのは、一つの目標数値のみを追っていくリスクである。戦略シナリオには、悲観値・中間値・楽観値の3通りが想定される。願望的な要素が大きい楽観値のみを目指していく政策には多大なリスクがあるが、往々にして見られることも確かである。リスクを回避していくには、将来市場を自ら想定して外へ発信していくことで市場をつくり上げてしまう方法もある。ファッション・ショーがその典型例だろう。特異な例としては、パソコンすら登場していない1972年、IBM研究所のアラン・ケイは現代を見通し、あたかもiPadを使いこなしているかのような人間の姿を絵に描き、将来はこうあるべきだと説いた。一方、気を付けておきたいのは、あらゆるリスクを回避しようとし過ぎるあまり、他社と比べてほとんど差別化できていないような、同質化された戦略決定に陥ってしまうことだ。
戦略には新価値を産むイノベーション要素が重要である。イノベーションを実現するには、自身が前提条件として抱えている弱みを強みにする方法はないか、あるいは既存知識や情報を新しく組み合わせることで新規ビジネスモデルが展開できないかを考えるとヒントが発見できることも多い。
第2次大戦後、日本が加工貿易の推進で驚異的成長を遂げられたのは、良質な資源を自由に選んで輸入することで資源不足という弱みを強みに変換でき、海に囲まれた島国であったため運賃の安い海上輸送が大胆に展開できたからだ。ヤマト運輸の宅急便サービスは、確実に予想される個人間の荷物輸送ニーズを先入観なく見据え、集配・配送方法を研究した結果である。イノベーション創造は失敗を避ける戦略でもある。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 失敗のパターン(3)
00: 00: 55 経営の失敗学
00: 01: 16 この講義で何を学ぶのか
00: 01: 23 前回のまとめ(1)
00: 02: 40 前回のまとめ(2)
00: 03: 07 前回のまとめ(3)
00: 03: 19 前回のまとめ(4)
00: 03: 36 本日の内容
00: 04: 12 定量的詰めが甘い
00: 04: 25 定量的な詰めが甘い
00: 05: 34 市場規模、売り上げの「桁」を間違える
00: 08: 15 数字を幅で捉えない
00: 09: 36 楽観値だけで進めてしまう
00: 11: 45 不確実性・リスクに対処していない
00: 12: 21 予定調和を信じてしまう(1)
00: 14: 37 予定調和を信じてしまう(2)
00: 16: 40 複数シナリオを考えない
00: 18: 32 ダウンサイド・リスクを最小化する
00: 19: 52 “THE BEST WAY TO PREDICT THE FUTURE IS TO INVENT IT.”
00: 21: 10 1970年代のコンピューター
00: 22: 04 【再掲】“THE BEST WAY TO PREDICT THE FUTURE IS TO INVENT IT.”
00: 25: 23 未来:「予測する」のか「自分で作る」のか
00: 29: 02 各論で地雷排除をやり過ぎた結果、戦略が「尖っていない」
00: 29: 13 失敗しないために地雷排除した結果、失敗するという矛盾
00: 31: 48 戦略を尖らせる:イノベーション
00: 33: 05 終戦後の日本経済
00: 34: 25 終戦後の日本経済のイノベーション
00: 37: 40 青山フラワーマーケット
00: 38: 10 縮小する花市場で急成長
00: 38: 33 青山フラワーマーケットのイノベーション
00: 39: 58 デイリー・ユースで×を○に変える
00: 42: 59 ヤマト運輸
00: 43: 34 ヤマト運輸のイノベーション
00: 50: 47 イノベーティブ過ぎてはいけない:半歩先のイノベーション
00: 51: 33 半歩先のイノベーション
00: 54: 01 イノベーションの神話
00: 55: 56 実は「加工貿易立国」モデルも斬新ではない?(1)
00: 56: 15 実は「加工貿易立国」モデルも斬新ではない?(2)
講師紹介: 菅野 寛(かんの ひろし)
株式会社ボストン コンサルティング グループ パートナー アンド マネージング・ディレクター
東京工業大学工学部卒、同大学院修士。カーネギーメロン大学経営学修士(MBA with Award)。日建設計を経て、現在に至る。
ハイテク、情報通信、製造業等の業界に対し、新規事業戦略、営業・マーケティング戦略、研究開発戦略、情報システム戦略等の策定・実行支援プログラムを数多く手がけている。顧客企業のために経営幹部育成プログラムの規格・実施も行っている。

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  アシスタント:渡名喜 織恵

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