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インターネットスタートアップ最前線

インターネットスタートアップ最前線~特別編06

2015年6月に宮崎でInfinity Ventures Summit(以下、IVS)が行われた。IVSは、IT業界のトップレベル経営者が集まって業界や経営について議論する場である。このイベントではIVS Launch Padというコンテスト形式のスタートアップの新規サービスのプレゼンテーションも行われ7社が参加した。シェアリングエコノミーやクラウド、人工知能など新しい分野のプレゼンも多かった。

 

今回は、IVS Launch Padで同率2位だった2社のCEOの話を伺った。1人目は株式会社COMPASSの神野元基氏、2人目はセーフィー株式会社の佐渡島隆平氏である。

 

株式会社COMPASSのTREASURE BOX

株式会社COMPASSCEOの神野氏は、教師が生徒一人一人を見られていないまま授業が進行していく一方通行型の教育方法に原因があると考える。集団授業の限界を感じ、より効率的な授業ができないかと考え、「TREASURE BOXアカデミー」というタブレットを使った人工知能型教材を用いた学習塾「株式会社COMPASS」を立ち上げた。TREASURE BOXは、スピード・解答・プロセスを解析することにより、生徒一人一人に最適なプロセスを提供できるシステムである。生徒が解いたプロセスの中で分からない所をピンポイントで教えられるのが特徴で、1学期(14週間)かかる学習を2週間で終了(7倍の速度)させる事を実現し、成績も1学期末定期試験の平均点を上回った。

 

神野氏によると、ラーニングは「暗記学」と「論理学」しかないので、2つに対応すればあらゆる教科に対応できるという。暗記学は忘却曲線との戦いで、忘却曲線に合わせて再出題する事で、効率的な復習習慣を自動的に実践できる。神野氏は、大学入試改革でセンター試験が廃止される事で高校3年間のトータルの実力が判断されるので、予備校の存在が絶対的なものでなくなり、より人間としての能力を重視したような試験にシフトしていくと考えているそうだ。また、将来的には教師は教科を教えるのではなく、コーチングやファシリテーターの役割を担っていくと予測する。

 

セーフィー株式会社のホームセキュリティシステム

セーフィー株式会社CEOの佐渡島氏は、マイホームを建てた際に監視カメラの設置を検討したが、低い画像スペックと低いセキュリティに対して70万円の見積りが上がり、値段相応ではないと感じた。業界の実態と言えば、防犯カメラの30%にはパスワードがかけ忘れられており、90%のカメラは暗号化されていない。クラッカーから見れば丸見えのカメラばかりの状況を問題視し、監視カメラのプラットフォームのプロダクトとカメラ・スマートフォンを利用したホームセキュリティのシステムを開発した。

 

セーフィー株式会社は「低価格・簡単・スマート」をコンセプトにサービスを展開し、高品質のカメラを1.98万円、アプリを基本料金0円、録画やアラート機能をつけると980円という低価格で提供している。カメラの映像品質は、従来は視野角90°の静止画だが、セーフィーは視野角170°かつ画像品質50倍の動画を記録出来る。5年間のランニングコストは従来の6分の1(7.86万円)である。低価格化の要因は、余計な機械・保守費のカット、カメラの設置は顧客が行う、ローカルサーバーの利用ではなくクラウドを利用する事などが挙げられる。昨年10月から事業を開始し、6ヶ月で製品化を実現した。

 

このシステムなら、監視カメラを設置するだけでスマートフォンアプリを使って映像をリアルタイムで監視でき、他人と状況もシェアできる。カメラは現在5機種発売されており、B to C、B to Bの垣根を取り払って誰でも使えるようにしていきたいと佐渡島氏は語る。

 

IVS Launch Pad参加後の影響

神野氏は、IVS Launch Padに参加するまでは全く無名の企業だったので、参加後に注目度が全く変わって驚いたと述べている。株式会社COMPASSに対して、学習塾などをはじめとして多くの会社等から毎日問い合わせが来るようになり、スケジュールが詰まり、人材も足りないぐらいになっている。

 

セーフィー株式会社は、IVS Launch Pad参加後に200台以上の発注を貰うという大きな反響を得た。佐渡島氏は、16人の審査員に認められた事で、自分たちの事業に自信が出たという。また、審査員も優秀な経営者が多いので、沢山のアドバイス、人脈作りに役に立ちそうなものを得られて良かったとも言っている。投資家からの注目も集まっているので、大企業に対抗できるぐらいの企業を目指していきたいと述べている。

 

今後の展望

今後の展望として神野氏は、まずは国内の色々な教育事業者と組んでいき、ひいては発展途上国などにもサービスを提供していきたいと語った。

 

佐渡島氏は、見たい場所を手軽に見られるコンセプトを追求し、社会が安心したり、楽しくなったりするサービスを目指しているという。カメラの技術は日本が圧倒的に世界一で良い物が沢山あるが、良いプラットフォームはアメリカに多いので、良いプラットフォームを日本からも発信できるように頑張っていきたいと述べていた。

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