【会計と財務の違いとは?】
ざっくり分かるファイナンス ~経営センスを磨くための財務~
(石野 雄一 氏)

【会計と財務の違いとは?】ざっくり分かるファイナンス ~経営センスを磨くための財務~(石野 雄一 氏)

「会計(アカウンティング)と財務(ファイナンス)の違いは何でしょうか?」と質問されたら、即答できますでしょうか?

両者の違いを明確に答えられる方は、思いのほか少ないかもしれません。

今回ご紹介するのはこちらの書籍です。「ふつうの読解力と算数の知識さえあれば、最後まで苦労せずに読み進めることができるはずだ」という本著。著者自身がファイナンスの勉強に苦労した経験を踏まえ、学問的な話や難しい関数などを使った話をせずにファイナンスがどのようなものかを学ぶことができる内容になっています。(私自身も読んでいて、これまで読んできた書籍と比べても本当にわかりやすいと感じました!)

本著の中で、著者はまず会計とファイナンスの違いを解説しています。ポイントをまとめると以下の通りです。

「会計(アカウンティング)」と「財務(ファイナンス)」の違いとは?

◎会計(アカウンティング)
-「利益(商品やサービスの売上から、その商品やサービスを作ったり売ったりする上でかかった費用を差し引いたもの)」を扱う。
-企業の「過去」の業績を扱う。

◎財務(ファイナンス)
-「キャッシュ」を扱う。
-企業が生み出す「未来」のキャッシュフローを扱う。

会計が扱う「利益」は、そのときどきの会計基準やそれぞれの経営者による判断によってある程度「調整」することができるものだと指摘する著者。

会計基準も国によって異なるものを採用していることもあり、それぞれを並べて比べると項目が異なっていますし、項目の違いにより数字も変わってきてしまうものです。

それに対し、ファイナンスが扱う「キャッシュ」は残高を調整することはできず、どちらの国の会計基準であっても、経営者の考えがどのようなものであっても、変わることはありません。

それが、「キャッシュは嘘つかない」といわれる所以だと著者は言います。(もちろん、現状を把握するために会計も大切です!)

では、ファイナンスでは何をするのでしょうか?

「ファイナンス=資金運用」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、著者は「ファイナンスとは3つの意思決定に関わるもの」だとしています。具体的には、以下の通りです。

ファイナンスが関わる「3つの意思決定」とは?

◎投資に関する意思決定(投資の決定)
◎その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)
◎運用して得たお金をどう配分するか(再投資するか、株主に還元するか等)という意思決定(配当政策)

企業は事業活動を行っています。事業活動とは、突き詰めると「何かに投資する」ということだと指摘する著者。

モノを作るために原材料を買う、工場を建設する、機械を導入する、それらを運用するなど、事業活動を行うためには何かにお金を投じること、つまり「投資」が必要となります。

このような投資に関する意思決定をファイナンスは扱うのです。

本著では、そのために必要な専門用語、テーマ、判断基準などの基礎をわかりやすい言葉で解説しています。

ファイナンスに苦手意識をお持ちの方、初めて学ばれる方にとってはとても理解しやすい内容になっているかと思いますので、ご興味がございましたらぜひ一度お手に取ってみてください。

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