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英語で繰り広げられる会議。本当にその内容、理解できていますか?(修了生/二澤泰さん)

2015年11月18日に行われた同窓会組織「豪研会」主催のイベント「グローバルリーダーシップフォーラム2015」で行われたセッションの内容をご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは、修了生である二澤泰さんによるセッション「グローバル舞台で働く ~何が必要なのか~」の一部の内容です。

二澤さんは2011年に海外から日本に帰国され、現在は日本国内で勤務されています。日本でできる社会貢献の一環として、予備自衛官(予備2等陸曹/語学専門)になり、陸上自衛隊の召集訓練に参加しています。冒頭には射撃についても実演頂きました。

自分から進んで他の世界に進んでいくこと、そして新しいことを学んで自分が進歩していくことが楽しいと感じる二澤さん。グローバルな仕事に楽しみながら取り組まれていますが、あるとき、衝撃的な経験をしたそうです。それはいったい何なのでしょうか?

通訳のトレーニングを受けたときの衝撃

自分は海外で15年間働いてきたので、英語力には自信があって仕事も英語でバリバリできると思っていました。しかし、それは思い上がりだったと思わされる出来事が。

ある日、英語を専門とする仕事をしている友人にアドバイスをもらい、より高いレベルの英語力を求めて通訳のトレーニングを受けることになりました。これまでのキャリアから自信をもってトレーニングの場に乗り込んだのですが、これでもかというくらいボコボコにされてしまいました。自分が相手の言っていることが聞こえていると思っていたことが、実は聞こえていなかったということに気付かされたのです。

通訳というと4つの能力が必要です。その一部が英語を聞き理解し、そしてそれを日本語にしてアウトプットすること。反対に日本語を聞き理解し、英語でそれをアウトプットすることです。私は英語を聞くということができていなかった。TOEIC900点は出ていましたが、それでは全く駄目なんです。2~3センテンスを日本語で復元しようとしてできませんでした。自分でわかっていたつもりになっていましたが…。

しかし、これは実は大部分の人に共通して言えるのではないでしょうか。その会話に関するバックグラウンドが多少なりともあると、なんとなく“わかった気”になってしまうのです(伝言ゲームで経験済み?)。

意外とみんな、英語での会議内容を理解できていない?

完成までは道半ば、自分が日々取り組んでいる課題は会議です。様々な方々が参加している会議をいかにして仕切るか。とにかく試行錯誤しながら課題に取り組んでいます。

前述の気付きを得てからは、会議の中でいかに参加者の多くが皆、話の内容を理解していないかということがわかってきました。しかし、自分も含めてすぐに内容がわかるようにはならない。そのため、自分が会議の中でひっかかっていることについては、他の参加者に聞くことに。恥ずかしくて最初は意外と聞きにくいものなのだけれども。大体、自分がひっかかっていることは他人もひっかかっている傾向があります。それで不明点をクリアにしていくようにし、会議を仕切るようにしました。

英語が母国語ではないということは、ハンディキャップを持っているということ。

母国語が英語ではないというのはハンディキャップをもっているということだとも言えるのではないでしょうか。ネイティブな人たちとのコミュニケーション、ノンネイティブな人たちとのコミュニケーションの質はやはり違ってきます。世の中のプラットフォームは、そのかなりの部分が英語圏で作られています。そこに対して、ハンディキャップがあるということを前提にして、取り組んでいくことが大切です。

ただ、英語がハンディキャップのない程度できるということだけでもビジネスは進みません。特に私が重視しているのはロジック。これはオランダで学んだこと。小国ではあるけれど、ヨーロッパ内では発言権が大きい。コミュニケーションに長けた方も多い。非常に伸び伸びとした中でコミュニケーションを図っていく風土があります。上司は部下の意見をじっくり聞く。部下の意見を聞きながら、調整しながら、部下が働きやすい環境を創り上げてきているのです。

自分は7割方はロジックをつきつめていく。しかし、ロジックだけだと追い詰められて窮屈に感じる人もいるのは事実。そのため、残りの3割はロジック以外の部分(「頑張って働いている」など)も視界に入れながら仕事を進めるようにしています。パワーや権威で人を動かすということはせず、あくまでも自主的に動いてもらえるようにそのような会話をしながら、議論すべきところは議論をしながら仕事を進めるようにしています。

衝撃的な経験から得られた気付きを胸に、前へ(Bond-BBT MBA事務局より)

今回の記事はいかがでしたでしょうか?自分はできると思っていたことも、意外とできていないということに気が付くことはたしかによくあるものですね。それを知ったときのショックは大きいかもしれません。しかも、それがご自身にとって経験も十分にある領域であれば尚更です。

問題は、気付きを得てからどのように行動をするかではないでしょうか。仕事においてベテランである二澤さんも受けた衝撃的な経験と、そこから得られた気付きからすぐに対策を講じられました。自分の得意分野だと思っていたことなので受け入れるのは難しかったと思うのですが、受け止めた上で次のステップに進まれた姿には私どもも学ぶことが多くあります。

これからもグローバルを舞台に働き続ける二澤さん、今後のますますのご活躍をお祈りしています!

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