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5年後・10年後の自分の姿 ~キャリアゴール~【女性のキャリアを考える。第10回】

Bond-BBT MBA2期生で、キャリアカウンセラーもされている藤野祐美さんの記事。
第10回目は「キャリアゴール」についてお話します。

こうありたい自分の姿
5年後・10年後、そしてその先。自分がこうありたいという姿がキャリアゴールと言われるものです。第1回の連載でもお伝えしましたとおり、キャリアゴールの設定に躊躇される女性の方々の声をよく耳にします。

確かに、これから将来何が起こるかわからない。せっかくゴールを設定したところで、環境が変わってしまえばゴールを変えざるを得ないのに、意味がないのではないか?果たして本当にそうでしょうか?

ゴールは、用意されてはいない
新卒で就職した企業で、生涯勤め上げ、定年を迎える。年々キャリアを積み重ね、一般社員から管理職へと昇格し、やがてはマネジメントを担うようになる。個人の労働観や価値観が均一化し、更に、経済成長により市場が年々拡張していく時代には、いわゆる“エスカレーター”に一度乗ってしまえば、自動的にゴールまでの道がつながっていました。自分で改めて考えるまでもなく、目の前のことを、一つひとつこなせば、自然と前に進むことができ、それが”そこそこ”満足のいくゴールへと繋がっていたのです。

しかしながら、労働観や価値観が多様化してしまった今、ゴールにしてもそのゴールに向かう道にしても、あらかじめ用意された、たった一つの選択肢では、誰もが満足することは、難しくなってしまいました。

企業に勤めるのか、NPOに勤めるのか。はたまた、自分で起業するのか。結婚するのか、しないのか。子供は、何人もつのか。仕事と育児を両立するのか。それとも、どちらかに専念するのか。満足のいく姿は、人それぞれ。一旦、仕事を辞めて家庭に入り、専業主婦というゴールを選んだ方であっても、昨今の女性活躍推進の影響で、再び仕事の世界で活躍しようという思いが沸き起こることもあるでしょう。会社員生活をいったん中断して、再び大学に戻って学び直す方も少なくありません。

労働観や価値観が多様化し、選択肢もどんどん増える中、何が自分にとってベストなのか?その答えは、一人ひとり、異なるもの。もう誰も、用意してはくれません。自分にとってのベストを知っているのは、自分だけ。ゴールは自分で設定するものなのです。

まずは、大まかな方向性から始める
とはいえ、今後景気がどう動き、世の中がどう変わるのか。激しい技術進歩により、世の中の予測はますます難しくなってきました。外部環境は、これまでも、そしてこれからも変化を続けます。それだけでは、ありません。仕事と家庭を両立しようと思っていたが、いざ育児が始まると余りにも子供がかわいくて、やはり、仕事を辞めることにした。経理を極めたいと思って、学生時代から簿記検定まで受験して備えてきたのに、実際に業務についてみると、違和感を覚えることが多く、このままでいいのか方向性を見失ってしまった。思いがけない病気で、仕事から離れざるを得なくなった等。自分自身のことである内部環境さえ、将来の予測は難しいものです。

予測不能な環境の中においてのゴール設定は、1年後に○○、5年後に○○といった緻密なものではなく、大まかな方向性だけでも十分です。

仕事も家庭も両立させる、30代で専門性を極める、育児がひと段落したら、もう一度勉強をする・・・。“こうあったらいいな。”という、大まかな方向性からスタートします。
歩き出してみなければ、見えない景色があります。仮に、その景色が求めるものと異なるのであれば、そこで、方向を変えれば良い。しかしながら、立ち止まっているだけでは、無情に時間が過ぎていくだけ。“あの時、もし、○○していれば・・・”、人生にタラレバは存在しません。歩きながら、興味があるものに出会えば、それを確かめていく。ゴールはあらかじめ、固まっているものというよりも、むしろ、歩きながら進化させていくものです。

GROWに考える
コーチングの世界で問題解決に使われる手法の一つに、GROWモデルというものがあります。
キャリゴールを考え、歩き始める際にも参考になるモデルです。

GROWとは、
Goal:ゴール
Reality:現実
Options: 選択肢
Will: 意志
の頭文字からネーミングされたものです。

大まかな方向性Goalを描いたら、それに対する今の自分の状態Realityを考える。このゴールと現実の差こそが、これから取り組むべき課題。更にその取り組み方にもさまざまな方法=選択肢Optionsがあります。その中から、自分にとってのベストを選び出し、取り組んでみる。自分を動かすエンジンは、Will、自分の意志にほかありません。

ゴールは自分が納得して受け入れない限り、機能しません(目標設定理論 エドウィン・A・ロック)。

上司から割り振られた営業目標に納得できないと、なかなか前に踏み出せなかったり、周囲に勧められて英語の勉強をしようと思うものの、身が入らないといった経験は、どなたにもあることでしょう。

自分のキャリアゴールを設定できるのは、自分だけであり、その実現に向けてのエンジンを始動できるのも、自分だけなのです。ありたい姿を生み出すのは、他の誰でもなく、自分自身なのです。

講師プロフィール

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藤野 祐美 氏
株式会社Y’sオーダー 代表取締役
オーストラリア BOND大学 大学院 経営学修士課程(MBA) 修了。
ミノルタカメラ(現コニカミノルタ社)にて、産業用計測機器の販売企画、販売支援に従事の後、P&G社(米資本)での国際人事業務を経て、世界最大の水産飼料会社ニュートレコ社(オランダ資本)の日本法人立ち上げに参画。同社はじめ、関連会社2社を起ち上げ、取締役に就任。アジア太平洋地域人事統括として、組織開発、人材開発に従事。その後、2007年株式会社Y’sオーダーを設立、代表取締役就任。グローバル市場で活躍できる人材育成のための組織開発・人材開発を手掛ける。

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