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“このまま”ではいられない~外部環境予測【女性のキャリアを考える。第8回】

Bond-BBT MBA2期生でキャリアカウンセラーもされている藤野祐美さんの記事も、第8回目となりました。
皆さんは、環境の変化とどのように向き合っていますか?

「消える職業・無くなる仕事」

「1. 銀行の融資担当者、2. スポーツの審判、3. 不動産ブローカー・・・5. 保険の審査担当者・・・8. 給与・福利厚生担当者、9. レジ係・・・これが何のリストであるか、一度は目にしたことがあるという方も少なくないのではないでしょうか。ご存知のとおり、オックスフォード大学のマイケルオズボーン教授が2013年に発表された論文にある

「今後10-20年の間にコンピュータにとって代わられる確率の高い職業」、言うならば、これから「消える職業」のリストです。コンピュータ技術の発達により、今、我々が従事している仕事の約47%が自動化されてしまうというのです。実際、すでにスーパーに買い物に行けば、無人のセルフレジは当たり前になっていますし、Google Carのような無人の自動運転も現実化しています。北欧のシリコンバレーといわれるエストニアでは、ITの発展により、納税は5分で終了。もはや税理士という職業さえ存在していません。自分が気に入って、天職だと信じて取り組んできた仕事でさえ、技術の発達により消滅してしまうかもしれないのです。

外部環境を知る

我々を巡る外部環境は、予想を超える勢いで変化しています。ビジネスの世界、特にマーケティングの世界でマクロ環境を分析する際に「PEST分析」という手法が良く使われます。企業活動に影響を及ぼしかねない外部環境を、Politics:政治、Economy:経済、Social:社会、そしてTechnology:技術という4つの切り口から分析する手法です。この手法を使って、我々の外部環境を見てみましょう。

まず、Politics:政治面では、法律や規制、税制等の変化等がまず、頭に浮かびます。配偶者の扶養控除額が変更になると、その上限額に応じて派遣社員やパートの方々が働き方を変えるといった身近な動きから、アメリカの新大統領トランプ氏の発言を受けて、企業が予定していた工場の進出地を変更するといった動きまで、国内政治はもちろん、グローバル化が当たり前となった今では、国際的な政治の動きまでもが、日々のビジネスに影響してきます。
Social:社会面におきましては、昨年来、“働き方改革”に注目が集まるようになりました。長時間労働を見直そうという動きは、もはや社会的な流れとなり、NO残業Dayや、在宅勤務の導入、また、正社員の副業禁止を廃止する取り組みも誕生しています。

Economy:経済面では、為替の変化や個人消費の動向といった動きが、そのまま企業の意思決定から実績までをも左右します。
そしてTechnology:技術。コンピュータ、インターネットの活用は、言うに及ばず、IoTやAIは、まさに、我々の仕事にとって代わろうとしているのです。

外部環境との共存:“変わらないもの”と“変えるもの”

外部環境の変化が、ビジネスを動かし、我々の生活を動かす。つまり、我々のキャリアそのものにまで影響を及ぼします。IT化が進みペーパーレス化された職場で、ただ一人、紙媒体を使って仕事を続けることはできません。働き方改革が進むなかで、仕事は時間とばかりに長時間働き続けることは、もはや受けつけられません。勤務先が外資に買収されれば、公用語は英語になります。その中で、“自分は、母国語の日本語を貫く”というのであれば、もうそこに、あなたの居場所は無いわけです。あなたは、船を下り、自分を受け入れてくれる新たな船を探さねばなりません。

今後世の中が、どのように変わるのか。残念ながら、意のままに外部環境を変えることもできなければ、無視もできない。キャリアを磨いていくには、外部環境の変化を予測しながら、どこかで共存点を見つけ出していくことが必要になります。

そのためには、まず、どのように環境が変わろうとも、“変わらないもの”に注目することです。“変わらないもの”、すなわち、何があっても自分自身が変えたくない・譲りたくないもの=自分自身の価値観です。第3回の連載でもお伝えしました通り、価値観とは自分の核となるもの。移り変わる外部環境という景色の中では、自分を支える“楔”となります。

一方、“変えるもの”にも注目します。何を変えるのか。それは、これまで磨き上げてきた強みです。“変える”というよりも、むしろ“進化”させていきます。強みの中でも特に、第4回の連載でお伝えした、どこに行っても活用できる“ポータブルスキル”を進化させます。これまでなら、リーダーシップの発揮も同じ日本人の方々だけを対象にしていればよかった。しかしながら、職場のダイバーシティ化が進むにつれ、これからは、リーダーシップを発揮する対象も変わってきます。今まで培ってきたリーダーシップの発揮を、新たな環境に合わせて進化させます。

キャリアの話になるととかく、“このままでいい。”と言う方が少なくありません。しかしながら、外部環境が変化する中での“このまま”は、すなわち退化。環境変化に取り残されてしまいます。“このままでいい”と言うためには、むしろ、環境と同じ、もしくはそれを上回る進化が求められているのです。

 

講師プロフィール

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藤野 祐美 氏
株式会社Y’sオーダー 代表取締役
オーストラリア BOND大学 大学院 経営学修士課程(MBA) 修了。
ミノルタカメラ(現コニカミノルタ社)にて、産業用計測機器の販売企画、販売支援に従事の後、P&G社(米資本)での国際人事業務を経て、世界最大の水産飼料会社ニュートレコ社(オランダ資本)の日本法人立ち上げに参画。同社はじめ、関連会社2社を起ち上げ、取締役に就任。アジア太平洋地域人事統括として、組織開発、人材開発に従事。その後、2007年株式会社Y’sオーダーを設立、代表取締役就任。グローバル市場で活躍できる人材育成のための組織開発・人材開発を手掛ける。

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