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母として、妻として、娘として ~ライフイベントとの向き合い方~【女性のキャリアを考える。第5回】

第5回目を迎える「女性のキャリア」にフォーカスした、Bond-BBT MBA2期生でキャリアカウンセラーもされている藤野祐美さんによる連載記事。今回は、「ライフイベントとの向き合い方」にフォーカスしたテーマでお届けします。

結婚や昇進・昇格など、身の回りでは様々な出来事が起きているかと思います。その出来事は偶然なのか必然なのか、なんとも判断がつかないこともありますが、少なくてもそういった出来事が皆様に少なからず影響を与えているのではないでしょうか。時に、人生を左右してしまうこともあります。

そのような事態にどのようにして向き合うかが、キャリアを形成していく上でも大切になってくるのではないでしょうか。今回の記事は、そのような点を考えさせられるものです。

▼これまでの記事はこちら
これからの女性のキャリアの磨き方 ~新たな時代のうねりの中で~
答えはあなたの中にある ~自分をつくりあげてきたものは何か~
選択の連続の中で ~譲れない価値観とは~
MBAは、キャリアの武器になるのか ~身に付けておきたい能力・スキル~

キャリアに影響を及ぼすもの

結婚、妊娠、出産、育児、子供の受験や進学に自立、さらには、思いがけない病気やけが、事故、大切な人との死別から、仕事での昇格や降格、転勤、退職等、公私に渡って人生に起こる様々な出来事をライフイベントと呼びます。

好ましいものから、そうでないものまで、これらのライフイベントに共通して言えることとは、自分の意志ですべてをコントロールできるわけではないということです。どれだけ願い、努力をしても叶わないできごともあれば、全く望んではいないにも関わらず、突然、降りかかってくる出来事もあります。そして多かれ、少なかれ、これらのライフイベントに我々のキャリアは、左右されてしまうのです。

日本で女性活躍が進みにくい理由の一つに、根強い男女間の役割意識が挙げられます。家事や育児は、基本的には女性の仕事であるという意識です。実際、日本の男性が家事や育児に費やす時間は、1日にわずか33分というデータもあり、これは、世界で最短とも言われています。育児休暇を取得し、時短勤務を選択するのがほぼ女性であるという事実からも、この役割意識の強さが伺えます。それゆえ、女性が仕事をする中では、家事や育児と仕事の両立が常に課題として横たわり、男性以上に女性のキャリアにおいてライフイベントの影響が大きなものとなってしまいます。

となれば、なおのこと、これらのライフイベントに対しては、計画的に備えたいものですが、得てしてままならないものです。「出産後、早期に職場復帰を望んでいるにも関わらず、託児所が見つからないためにやむなく復帰タイミングを遅らせた。」、「以前より希望していた部署へ異動の打診があったが、実は、結婚が決まったのでこのタイミングでは、転勤してまで異動できない。」、「プロジェクトリーダーを任されたとたんに、家族が病気で倒れ、結局途中でリーダーを降りることになった。」といった類の話もよく耳にします。

計画された偶然という理論

これらのライフイベントにいかに向き合えば良いのか?そのヒントになる考え方に、プランドハプンスタンス理論(計画された偶然理論、Krumboltz,J.D. 1999)と言われるものがあります。

“偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、かつ望ましいものである”とするこの理論は、キャリアの世界において、大発見とさえ言われています。人生に起こりうる出来事を、意のままにコントロールすることはなかなかできない。しかしながら、それらの出来事を、自分にとって意味のあるものとして取り込んでいく。突然の妊娠、想定外の転勤の辞令、身内の発病による看護の必要性も、実は自らの人生を構成するためには欠かせないピース、“計画された偶然=Planned happenstance”であり、キャリアの機会として活かすことができるという考え方です。

偶然発生する出来事をプランドハプンスタンスに変えるために必要な5つのこと

とはいえ、偶然発生する出来事をプランドハプンスタンスに変えるためには、次の5つの行動と思考パターンが必要と考えられます。


①好奇心(Curiosity)
何事に対しても好奇心を持ち、それを広げていくこと。数字の嫌いな自分が経理部への異動などを命じられると、苦手意識から落胆してやる気を失いがちですが、まずは、好奇心をもって、その仕事に取り組んでみる。自分にとっての新たな可能性につながるかもしれないのです。

②持続性(Persistence)
失敗に負けずに努力し続けること。そこで止めてしまうから失敗。ゴールにたどり着くまで続けるから、成功なのです。諦めるのではなく、納得のいくまで持続します。

③楽観性(Optimism)
ポジティブに考えること。キャリアゴールに向かって、あれもこれもまだ不足していると思うのか。まだこんなにチャレンジし、成長する伸びしろがあると思うのか。思考一つで、景色が変わります。

④冒険心(Risk-taking)
失敗を恐れず行動を起こすこと。特に一般的に男性に比して、機会と経験に恵まれてこなかった女性は、失敗を恐れるあまり、行動を起こす前に諦めてしまいがちです。女性が新たなことに取り組もうとすると、「前例が無いから無理」といった声が周囲から飛んできたりもしますが、時には、自らリスクを覚悟してやってみることも一つの選択です。

⑤柔軟性(Flexibility)
変化に対応すること。予測不能の時代に生きる我々。状況が変化すれば、望ましい答えもまた変わります。変化を嘆くのではなく、変化に向き合い、その都度、新たな解を見出します。「このままでいい。」というのも、女性がよく口にする言葉ですが、環境が変われば、このままではいられません。柔軟性をもって対応する必要があります。

先天的に、思考には傾向があります。楽観的であると自覚する人がある一方で、悲観的であるという方もいらっしゃるでしょう。自らがどのような思考パターンをもっているか、まず認識する。そしてそこからパターンを変えていく。ライフイベントは恐れるに値しないのですから。

講師プロフィール

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藤野 祐美 氏
株式会社Y’sオーダー 代表取締役
オーストラリア BOND大学 大学院 経営学修士課程(MBA) 修了。
ミノルタカメラ(現コニカミノルタ社)にて、産業用計測機器の販売企画、販売支援に従事の後、P&G社(米資本)での国際人事業務を経て、世界最大の水産飼料会社ニュートレコ社(オランダ資本)の日本法人立ち上げに参画。同社はじめ、関連会社2社を起ち上げ、取締役に就任。アジア太平洋地域人事統括として、組織開発、人材開発に従事。その後、2007年株式会社Y’sオーダーを設立、代表取締役就任。グローバル市場で活躍できる人材育成のための組織開発・人材開発を手掛ける。

どのようなスタンスで、日々起きる出来事に向き合うかが重要。(Bond-BBT MBA事務局より)

今回の連載記事はいかがでしたでしょうか?

「なんで自分がこのような目に遭わないといけないのか…」、最近、そのように思われたことはありませんか?少し注意すれば防げたこと、どうしようもなかったことなど、皆様は日々様々な出来事に大なり小なり直面されていることでしょう。

それらの出来事をネガティブに捉えるのか、ポジティブに捉えるのかによって、その後の結果(事態が好転するか否か、自身の成長につながるか否か、など)は変わってくるものです。たった一度の人生。常にポジティブに、柔軟に臨んでいくことは難しいかもしれませんが、少しでもそのような状態に自信を近づけ、日々の出来事を自身の糧にしていきたいものですね。

そのためには内省をして自分の思考パターンの傾向を知るとより効果的。日記をつけたり、寝る前に1日を振り返る時間を設けたりするなど、自分と向き合う時間を少しでも持つことができると良いですね。私も実践してみたいと思います。

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