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創業融資をご存じですか?

4月から「創業前~IPO後に大切にしておきたいこと」にフォーカスして連載開始した、Bond-BBT MBAプログラム22期生の福田徹さんによる連載第3回。今回は、「創業融資」というテーマでお届けします。

株式会社を設立して事業を始めるためには、もちろん資金が必要になります。しかし、そのための資金が不足していることは往々にあることです。仮に、資金が十分にあったとしても、創業後まもなく尽きてしまうことも…。資金繰りは思っていたようにはうまくまわらないものです。

資金を得る方法はいくつもありますが、皆様はその中のひとつ、「創業融資」をご存知でしょうか?概要は以下の記事にてご紹介します。今回も福田さんの経験談も交え、お届けします。

▼これまでの記事はこちら
第1回:業界の“常識”に縛られるな!創業の肝は“自由な発想”にあり。
第2回:事業計画を作成する際、最低限知っておきたいこと。

資金計画を楽観視すべからず。

会社を辞めて創業する際、起業のための資金が十分でない方は、事業資金を獲得しなければなりません。株式会社を設立する場合は、設立するだけでも15万円から30万円程度の資金が必要となります。自己資金で創業できれば問題はないのですが、自己資金で創業される方の多くの場合、創業後まもなく資金が尽きてしまいます。

私が今まで見てきた経営者のほとんどが、創業初めての方で資金計画に関しては楽観的過ぎる方が多いように見受けられます。中には融資を敬遠されている方もいらっしゃるかもしれませんが、融資を受けることを毛嫌いしてはいけません。事業には資金が必ず必要です。

また、融資を得るにも、創業時が一番融資を利用しやすいという事実もあります。創業後数年経つと、財務諸表に一定の審査が入り、過去の実績、今後の事業計画がより詳細に開示が求められます。創業数年が経ってしまうと、資金繰りが悪くなって融資を受けようとしてもプロパー融資は難しく、一般の制度融資、保証協会融資に頼ることになります。その場合、保証料などの手数料がかかり、融資を受けるに際し、資金用途など詳細に求められ、創業時に創業するから「創業融資」という単純な理由で融資を受けるようなことが難しくなります。

自己資金があるのに創業時に融資を受けているケースも。

私の周りの経営者の中には、自己資金があるのに、創業時に融資を受けている方が多くいます。しかもその融資資金を利用することはなく、毎月返済をしているのです。つまり、金融機関に対して信用をつけるためにわざわざ融資を受けています。

会社員の方は少し理解しづらいかましれませんが、経営者がきちんと返済できるかを金融機関は見ているのです。彼らは信用を創造するために、必要でない資金も借りているのですね。現在必要でなくても、将来、急に資金が必要になってくる場合は必ずあります。それは、資金繰りが悪くなった場合もそうですが、資金が必要な絶好のビジネスチャンスというのは必ず巡ってくるからです。

創業融資を利用する。

創業融資の中でも最もよく利用されているのが、日本政策金融公庫の創業融資制度です。私自身も10年以上前になりますが、創業時にこの制度を利用しました。この融資は、借りる方の条件として、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方となりますので、事業を開始してもたもたしていると融資申請できる期間があっという間に過ぎてしまいます。最初の資金を創業融資で賄い、資金がバーンアウトする前に、事業を立ち上げ、資金に余裕を持たせることがベストです。

この創業融資制度は、連帯保証人も不要で、売上の根拠を丁寧に説明し担当者に納得してもらうと1か月~1か月半くらいで融資が実行されます。創業融資は、自治体が実施しているケースも多く、所在地の自治体に創業融資があるかどうか確認した方がいいかと思います。自治体も創業が増えると将来の税収増につながるわけですから基本的には「創業」を積極的に支援しています。

もちろん通常の金融機関も創業時に融資を積極的に行っており、例えば商工中金等の金融機関も利用してもいいでしょう。私自身も「なぜ会社の資金繰りが悪くなったのか?」(税務経理協会)という書籍に融資について書かせていただいておりますが、当社は創業融資の獲得支援をしており、特に、日本政策金融公庫には都内の各支店に何度かお客様とともに同行することもあり、また商工中金にも同行させていただき実行支援をしています。

日本政策金融公庫は顧客の規模により担当支店は異なりますが、融資がどのように実行されるのか、どのように書類を書けばいいのか、必要とされる自己資金の証明の方法など、事前に申請のテクニックなど知っておかないと申請が下りずに融資が実行されないことも多々あります。

さて、創業融資制度を利用するにあたり、事業計画が必要となります。金融機関への事業計画は通常MBAで勉強するビジネスプランレベルであれば必要十分です。金融機関はその資金がどこに使われ、返済できる金額がその事業によって将来生み出されるのかわかればいのです。

MBAのアントレプレナーシップで学習する創業時に重要なことは、チームやリソースです。リソースの中でも重要な資金。足りない場合は出資を受けてもいいですが、創業時点で会社の運転資金に回す資金を第三者から出資を受けることは極めて難しいと思います。創業時に仲間を集め、資金をそれぞれ出し合うことも重要ですが、企業の運転資金としては金額的にも限界があります。条件さえ整えれば実行される創業融資制度。創業時にはぜひ検討してください。

講師プロフィール

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福田 徹 氏
株式会社福田総合研究所 代表取締役社長
1984年3月早稲田大学卒業、豪州Bond大学大学院MBA取得。野村證券、ソニー生命(MDRT)を経て、2005年福田総合研究所設立。その間、証券英国現地法人にて、サッチャー政権の英国ビッグバン対応業務を行う。國學院大學で、財務分析、証券分析、関東学院大学でFP、武蔵大学で金融数学を講義、経済学部金融学科でファイナンス、ケーススタディーのゼミを担当。豪州のマードック大学ではマーケティングの客員講師。上場会社の社外取締役と社外監査役を兼務。中小企業から1部上場企業まで、各社のテーマに応じてコンサルティングを行っている。大手証券、地銀、地銀協、生保など多くの企業で研修も実施。

主な著書:「なぜ、会社の資金繰りが悪くなったのか?」(税務経理協会)、CFO協会のIRテキストブック監修、「IPOを目指す起業家及びIR担当者のためのIR実務」(電子書籍)、『「株式上場」が頭をよぎった経営者が読むIPO入門』(Amazon Kindle)。論文「証券アナリストとIRオフィサーの関係性について」。

事業を成長させていくためには資金は不可欠。(Bond-BBT MBA事務局より)今回の記事はいかがでしたでしょうか?「創業融資」を初めて知ったという方もいらっしゃるかもしれませんね。事業をスタートさせていくために心強い存在のひとつと言えるのではないでしょうか。

ご自身で起業される場合も、既存の企業で新規事業を立ち上げる場合も資金は不可欠。資金繰りをしっかりしていくためには、各種利用可能な制度に対する理解はもちろん、アカウンティングやファイナンスに対する正しい理解、ビジネスプランニング力、交渉力など様々な知識やスキルなどが求められてきます。いずれも一朝一夕ですぐに身に付くことはなく、学びと試行錯誤の積み重ねがものをいうのではないでしょうか。

ビジネスの最前線での切磋琢磨はもちろん、このような力を総合的に鍛える場としてMBAプログラムが貢献できる範囲は広いと思います。

世の中に新たな価値を生み出すべく新たな事業を生み出されたい方は、ぜひ本プログラムの門をたたき、MBAプログラムの学びにチャレンジいただければと思います。

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第1回:業界の“常識”に縛られるな!創業の肝は“自由な発想”にあり。
第2回:事業計画を作成する際、最低限知っておきたいこと。

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