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THE EXPERIENCE

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BOND-BBT IMPACT
STORIES

日本の医療の「診断」力を高めたい。
根底にあるのはMBAの戦略思考です。

志水太郎さん

Taro Shimizu

獨協医科大学 総合診療科診療部長・総合診療教育センターセンター長 医師

志水太郎さん

患者さんの幸福の最大化を
叶える医療であるために。

私がリーダーを務めている大学病院での総合診療科は、神経、心臓、胃腸、腎臓といった臓器・システムごとに特化した専門医による診断・治療と異なり、全分野を俯瞰・横断して患者さんを総合的に診ることを行っています。たとえば、患者さんは自分で病名を宣言して受診されることはなく、頭が痛い、胸が痛い、熱があるといった症状を伝えて受診されます。熱と腹痛があるからと言って、必ずしも胃腸炎とは限らない。その原因を正確に特定することなく余計な検査が行われたり、間違った治療が行われたりすることは残念ながら多く、医療コストの増大の大きな一因となっています。これを防ぐため、「診断」の力を高めることが日本・世界の医療には、今とても重要です。「総合診療」は幅広く診るという性質から、不確実・困難な状況を打開しつつ全体最適を実現する能力の訓練にも重きが置かれていて、それは診断の領域にも必要とされる能力です。それが総合診療の専門家としての強みの一つでもあります。患者さんの医学的、社会的すべてのコンテクストを考慮しながら、コミュニケーションや観察力によって患者さんの置かれている状況を丁寧に捉え、診断の精度を上げて的確な治療につなげます。この総合診療領域の強みのひとつである診断の思考・技術が私自身のキャリアの上で最大の関心であり、2014年には『診断戦略』という本を執筆し、診断における戦略論の言語化を医療界に提示しました。実はこの本のアイデアの源泉が大前研一先生の著書『企業参謀』です。様々な領域の混然一体となった問題を迅速・丁寧に分析してその本質を見抜き、例えばフレームワークだけではない臨機応変で柔軟性のあるプランを提示し実現していく、それはまさに臨床現場でも活きる考え方であるとこの本で気づきました。企業の成功は利潤の最大化であることに準えると、医師の成功は患者さんの幸福の最大化といえると思います。それを、診断の観点から貢献していきたいと考え、具体的には今まで光が当たりにくかった診断の考え方の言語化と実践・教育に尽力したいと考えたのです。

アメリカで学び始め、
日本で修了したBOND-BBT MBA。

医者をやってMBAをやって、資格をとってステップアップを・・というと、何だか私は「キラキラ系」の人のキャリアに見えるかもしれませんが、実は全くそうではありません。壁にぶつかっては、他に手はないかと手探りでどうにかキャリアを切り開いてきた「地を這う系」?です。キャリアで言うと小中学校受験は失敗、大学受験も3浪、日本の就職試験や米国の医師国家試験の度重なる不合格や渡米後の就職難など、挫折のデパートのようにキャリアは全く順調ではありませんでした。そんな中、困難に活路を見出すオリジナルの思考力、また一般社会人としての国際標準思考を実装したいとBOND-BBT MBAで学び始めたことが、どのような困難な状況でも問題を解決しようと進んでいく戦略眼と柔軟性を形成する助けになりました。BONDでの思い出はたくさんあります。企業戦略ではケースの企業に手あたり次第インタビューをして生情報を集めたこと、マーケティングでは本屋や電車広告やCMから大量インプットして自己演習したことなど。スタディツアーでも、ゴールドコーストを横目に徹夜で仲間と様々な激論を交わした日々が懐かしいです。その優れた授業の中で突破力や粘り強くしなやかな思考力が磨かれ、結果いくつかの科目ではBest Performance Awardも頂けました。修了の頃は東京の病院に勤務していましたが、MBA修了の通知をもらって病院でバンザイして小躍りしたことを覚えています。診断戦略に代表される、総合診療医の診断思考力のモデル化と言語化を行う上でも、MBAでの様々な学びは有機的に活きました。またこれまで3つの総合診療科を新しく立ち上げることに関わりましたが、マーケティング、リーダーシップ、マネジメント、コントローラーシップ、組織論、戦略的人材管理、そして企業戦略などの授業での学びが活かせましたし、ファイナンスなど病院の経営について相談を受けることもありました。MBAも勉強を続けていかなければただの卒業証書になってしまいます。常に自分のOSをアップグレードするように学んでいきたいと思います。MBAで学んだこともベースに、自分の最大の関心である診断思考のモデル化、実践、教育にフォーカスし、それを追求する自分たちのチームを世界のトップに持っていくとともにその領域のリーダーとして世界に貢献する、それが今の目標です。

—勉強のスケジュールは?
アメリカでは公衆衛生学の大学院生として学びながら、オンラインのBOND-BBT MBAで学びました。大学院の授業の合間、飛行機移動の間などが主な勉強時間でした。また海外の私が朝5時頃に学べるように、海の向こうのクラスメイトがディスカッションの時間を合わせてくださったりしたことも感謝しています。帰国してからは病院に勤務しながら、勤務後や休日などの空き時間に学んでいました。
—モチベーションの保ち方は?
浪人時代に父に言われた「絶対に自分の旗を降ろすな」という言葉がつらいときの支えです。トンネルを抜けたときにまだ見たことのないような上に行けるわけで、諦めないこと、歩くのをやめないことです。結局、個人次第です。そのときに自分が持っている力でやるしかない。でも、そういうギリギリのところからイノベーションは生まれてくると思います。もう一つは、師匠、恩師らロールモデルの出会いです。目指す人がいることはその人に勇気と、夢と、立ち上がる強さを与えてくれると思います。

周囲の方から

能力を発揮できる環境を
つくってくださるリーダーです。

原田侑典さん(獨協医科大学 総合診療科 医師)

物事を大局的に見て、ゴールにたどり着くためにどういう準備をしたらよいかを描いてくださったり、いくつもの戦略を用意して物事を進めていくことなど、志水先生からはMBA的な考え方を教わっています。部下には個々に対応してくださり、能力が発揮できるようにリードしてくださいます。とても勉強になります。

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