[テーマ]基本概念の理解
　[講　師]丸田 絃心　

近年、デジタル化の加速とビジネスモデルの変化により、企業は顧客との関係性が大きく変貌してきた。モノからコトへと価値が移り、収益構造は利用継続が肝となってきたため、事業へのカスタマーサクセス導入が重要性を帯びている。本講座は、今後さらに必要となるだろうカスタマーサクセスをテーマに取り上げ、戦略の立て方からスケール手法、人材構築まで詳しく伝える。講師はレクシエス代表の丸田絃心氏。第１回目は全体像をつかむために基本的概念を解説し、事例を交えながら役割や活動内容をイメージする。

　[テーマ]目標設計と戦略立案
　[講　師]丸田 絃心　

顧客満足度と自社収益の双方へ作用するカスタマーサクセス（ＣＳ）は、近年、特に重要度が増している。前回は全体像をつかむために基本的概念を説明したが、第２回目の講義では、顧客を成功へ導く戦略・方針を立てるにはどのように目標設計をすればいいのか、戦略策定フレームワークを使いながら具体的に解説していく。ありがちな状況は、支援を求める多くの人や企業が雑然と存在し、カオスの現場をつくっていることだ。どの顧客が本当に支援を必要としているかを見極め、整理するのが、今回の学ぶポイントとなる。

　[テーマ]業務設計とスケール手法
　[講　師]丸田 絃心　

前回取り上げた戦略立案の設計図をベースに、本講義では立案したシナリオをどのように実行へ落としこみ、業務の中へ組み込んでいくか、少ないリソースで最大の成果を生むためのスケール手法を紹介する。軸となるのは顧客の成功（ゴール）から逆算した工程表・プレイブックを作成し、支援の判断軸となるヘルススコアを見ながら実施していく「サクセスジャーニーマップ」を設計すること。顧客の悩み、サービス導入、スコア判定、プレイブックの活用、結果が出て継続するまでの流れを、実例を挙げて解説する。

　[テーマ]組織構築と人材
　[講　師]丸田 絃心　

本講座最終回は、カスタマーサクセス（ＣＳ）における組織づくりの全体像や人材要件・採用についての理解を深める。組織を設計する上で、他部署との連携と役割分担、人材の見極め方、キャリアパス等を学び、自社で取り組む場合、大まかなイメージが持てるようにする。日本でのＣＳ組織の現状は、１人当たりの担当社数が16〜50社、年間経常利益は1000万円未満が36％、1000万円から5000万円が39％だが、米国では１億円ベースだ。日本のＣＳ市場はまだまだ伸びる余地があり、今後は必要性がさらに高まると予想される。