企業の人材マネジメントの課題について考える。人口減社会の到来や、団塊の世代の大量退職、ニートの増加などを受けて、将来の人材不足が危惧されている。
そんな中、グローバル化の進展によって国内マーケットは縮小、世界はどんどん小さくなっている。
世界の消費者に向けて、一斉にアプローチをすることが重要となるなど、グローバル化はさまざまな局面で日本企業に影響を与えている。
たとえば、ミタルは途上国を中心とした買収によって、鉄鋼業界の世界的再編を主導し、わずか10年で新日鉄を抜き、世界のトップへと躍り出た。
欧米の通信キャリアがグローバルにサービスを広げる一方、日本のドコモは、グローバル化で出遅れが目立つ。P&Gと花王も同様。
国境を越えたM&Aも活発に行われている。
しかし、日本では、世界で活躍することを前提とした教育や人材育成は行われておらず、企業における「世界統一人事」の導入にも遅れが見られる。
たとえば、外国人役員の割合を見ると、ネスレが55%、GEが19%に対して、トヨタは7%と、極端に低い。
海外展開を目指す中小企業にとっては、「マネジメント人材の不足」が最大の課題となっているが、グローバル人材の育成は、韓国や台湾、インド、シンガポールに比べても、かなり出遅れている。
インドが世界に通用する経営人材を多数輩出しているのとは対照的だといえよう。
GEやサムソンは、グローバル人材のマネジメントや人材確保に長けているが、日本もこうした先例に倣い、採用、育成、評価などの「世界統一化」を早急に進める必要がある。
トヨタや旭硝子では改革が始まっているが、「人事改革には10年から20年を要する。グローバルに生き残るためにも、全世界から優秀な人を集める必要がある」と、大前氏は締めくくる。