インドは、2005年の一人当たりGDP(国内総生産)が705ドルと、今のところ中国の後塵を拝しているが、知的産業が盛んで優秀な人材を豊富に輩出し、国内消費が徐々に伸びていることによって外国資本の流入が増加している。
一人っ子政策のため若年層が減少している中国に比べて、購買力の高い中間層や、将来の経済の担い手である若年層が増加し続けているインドは、2030年には総人口でも中国を抜いて世界一のマーケットに成長すると予想されている。本編では、インド最大の財閥であるTata・グループ、英・蘭unileverのインド法人Hindustan Lever、国内2位の商業銀行であるICICI銀行などの事例を挙げ、各社のBOP戦略をレポートする。
また、今後の成長分野とされる医薬、医療業界では、OPPI(インド医薬工業会)や、国内製薬業界4位のNicholas Piramal India社、メディカル・ツーリズムを進めるインドの医療業界においては、Hinduja national病院をレポートする。
BOP市場における戦略の具体的な事例としては、
1.シャンプーなどを小分け販売した超低価格化の実現。
2.アビランド・アイ・ケアシステムのように最先端の白内障手術に機能を絞り込んで、年間20万回の施術を実施し低価格を実現。
3.携帯電話の分単位貸し出しサービス。
4.25ドル以下の最低預け入れ金額から始められるバンキングサービス。
5.教師、NGO、政府機関と協力し消費者を教育するシステム
などが挙げられる。
これによって、貧困層を相手にした超小口融資であっても、グラミン銀行の試みのように、支払不能率を1%以下にすることが実証されている。
現在のBOP戦略がうまく成功すれば、市場はさらに世界へと大きく広がるだろう。
米国流の価値観、ビジネス習慣に適応し、他国との融合が容易にでき、世界に2千500万人の印橋ネットワークを持つ、世界最大の民主主義国・インドは、堅実な経済発展が見込まれるので、将来を予測して、早々にパートナーとして手を組むべき大国といえるだろう。