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> アントレプレナーライブ93:米倉誠一郎

【アントレプレナーシップ編62】
社内ベンチャー:有形無形資産の活用
ゲスト:井上 直也氏(マガシーク株式会社代表取締役社長)


概要:
本講座は、社内にある有形無形の資産を上手く活用し、社内ベンチャーとして成功した事例を紹介する。

マガシークは、伊藤忠商事の一事業としてサービスを開始後、3年弱で株式会社として独立、6年後に東証マザーズに上場を果たした。
インターネットでの婦人・紳士服の販売が主たる事業であるが、オンラインショッピングサイトに社内資産の何を活用することで、競争優位を築いていったのであろうか。
井上社長にお話を伺い、成功の要因を探る。

マガシークは、伊藤忠商事の社員であった井上社長が1999年に事業化を提案したことに始まる。
当時は、商社が競ってインターネット事業を展開しようとしていた。
雑誌に載っているファッションを購入するために、ショップを探すという夫人の購買行動から、井上社長はこの事業を考え付いたという。

2000年8月に伊藤忠商事の一事業としてサービスを開始、2003年4月には株式会社化し、2006年11月には東証マザーズに上場を果たした。
2004年には、第8回日本オンラインショッピング大賞のOLS大賞グランプリを受賞している。
2006年度の売上高は53.8億円、経常利益が3.8億円で、順調に業績を伸ばしている。
会員は、F1層中心で約56万人、取扱ブランド数は386である。

マガシークのビジネスモデルは、雑誌に掲載されているファッションを簡単に検索し、購入できるというものであり、マガシークは物販とサイト内の広告が主たる収入源となる。
在庫リスクはメーカーが持つが、伊藤忠商事時代の人脈を活用し、自前の物流倉庫を岐阜に持っている。
また、雑誌に掲載された多くのファッションブランドを揃えることができたのは、ファッションに強いという伊藤忠商事の資産を活用したからである。

マガシークは、雑誌と組んだ物販サイトではなく、読者サービスのサイトという位置づけながら、出版社とはwin-win関係を構築、売上げマージンを払うとともに販売データを返している他、パートナーとして出資も仰いでいる。
今後の成長戦略としてはサイトの充実、F1層以外の集客、ブログやアフェリエイトを活用した広告に力を入れ、 認知度アップ、新規会員獲得、既存会員へのサービス向上を狙う。

井上社長の座右の銘は「成功するまで諦めない」である。
マガシークは、伊藤忠商事の資産を上手く活用したからこそ成功したのであるが、当初思ったように商品が調達できないといった危機を乗り越えることができたのは、井上社長の成功するという信念があったからであろう。

講師紹介: 米倉 誠一郎(よねくらせいいちろう)
一橋大学 イノベーション研究センター長・教授
1953年、東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。1990年、ハーバード大学で歴史博士号を取得。早くからアメリカ・シリコンバレーのIT起業の状況などを見てきた。日米のベンチャー政策に詳しい。著書に『経営革命の構造』『ネオIT革命』『ジャパニーズ・ドリーマーズ』など多数。

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  アシスタント:内田朱美

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