YKK㈱の吉田忠裕社長を迎えて、YKKにおけるグローバル経営について語ってもらう。
ファスナーで有名な同社は、世界に122のグループ会社を有する。従業員は39,300人。連結売上高は6,196億円(2005年度)にのぼる。北米・南米、欧州、アフリカ、アジア、オセアニアと全世界でくまなく展開しているのも特徴だ。
ファスニング事業(ファスナー以外にボタンなども含む)のほか、最新オフィスビルのファサードなどに使われるビル建材事業や、窓枠やドアといった住宅建材事業も好調で、近年は、建材の売上が全体の約6割を占めるほどに。一方、ファスナーでも、宇宙服に気密性の高い同社のファスナーが使われたり、ルイ・ヴィトン社に請われ光沢のある美しいファスナーを特別に開発したりと、その技術力を活かした展開を続けている。
ファスナー事業の歴史を振り返ると、1959年に開始した海外生産が70年代から右肩上がりで伸びているのがわかる。国内生産が80年代からゆるやかに下降しているのとは対照的だ。世界市場におけるYKKの市場占有率(金額ベース)は46%を占め、北中米では約8割にも達する。中国の展開が今後の課題であり、「ローカルな需要にもアンテナを張って対応していきたい」と吉田社長は語る。
社内での取材によると、「バイタリティーがある」「チャレンジャーである」「気さく」と、吉田社長に対する社員の評価は高い。また、スタジオには、ファスナーで作った携帯ストラップ(非売品)を持参。「ファスナーにはこうした装飾品としての役割もある。付加価値をつけることで、さまざまな展開が可能」だと熱弁をふるった。最後に、他人の利益を図らずして、自らの繁栄はないという「善の巡環」の精神を紹介。取引相手だけではなく、その国や地域の利益を考慮して事業を展開していることも強調した。
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