ゲスト:アルビン・トフラー氏(未来学者) <二ヶ国語> 未来学者アルビン・トフラー氏をゲストに迎え、近著『富の未来』について大前氏と語る。トフラー氏によれば、「富とは、願望を満たすもの」だという。富を創出するシステムは「金銭経済」と「非金銭経済」によって成り立っており、両者は密接に関連している。目に見えない第2の経済、「非金銭経済」について解説しながら、中国の発展や、日本の若者、仕事と家庭とのバランス、社会革新の必要など、幅広い話題に触れる。
未来学者アルビン・トフラー氏をゲストに迎え、2006年夏に日本で翻訳出版された近著『富の未来』について、大前氏と語る。 本書のテーマは、目に見える富と目に見えない富の未来である。トフラー氏によれば、「富とは願望を満たすもの」だという。願望や欲求を満たすのは金銭というのが従来の考え方だが、金銭の取引がなくても富は生まれる。私たちの社会には、金銭以外の目に見えない第2の経済、「非金銭経済」が存在するのだ。 富を創出するシステムは金銭経済と非金銭経済によって成り立っており、両者は密接に関連している。例えば、非金銭経済の範疇で行っていたリナックスの開発が金銭経済に大きなインパクトを与えたのも、この一例だろう。にもかかわらず、経済学者も社会も、非金銭経済に関心を払っていない、とトフラー氏は嘆く。 経済的発展という論理自体も西洋の先進国が作ったものであり、産業革命を経て段階的にハイテク産業へと発展することを前提としている。「この論理をはじめて打ち破ったのが中国だ」とトフラー氏は言う。地域が主体になれば国家はどうなるか、若者が国や社会に興味を持たない日本の今後、CNNの変化など、話題は多岐にわたる。 金銭的経済と非金銭的経済のバランスを問う視聴者からの質問には、「目に見えない第2の経済なくして金銭経済は成り立たない。ふたつの経済が互いに交流する経路を探ることも『富の未来』の重要なポイント。個人的には仕事と家庭のバランスの取り方も重要になる。正解はひとつではない」との回答が。また、今後、期待するものとして社会革新を挙げ、「人間は新しい組織を作るのは不得意。社会の発展に役立つソリューションや組織構造を生み出した人には、国際的な賞を与えるべきだ」と締めくくった。