これからの企業ではどのような人間関係が求められるのだろうか。企業で成果を生み出すためには、職務適応と職場適応という2つの要素が必要となる。近年の日本企業は、コンピテンシー(職務適応)を重視してきたが、それだけでは成果を上げることができない。成果を上げるために必要な人間関係(職場適応)のあり方について検証し、創造的なチームを作る方法を説明する。また、チームに関するもう1つの要素である機能的側面と仲間的側面という観点からチーム力を強化する方法について考える。
個人が、企業で成果を生み出すためには、職務適応と職場適応という2つの要因が必要である。職務適応はコンピテンシー(成果を生み出す能力特性)とも言われ、近年の日本企業が重視してきた要因である。ただし、職務適応ばかり高くても職場で孤立してしまえば、成果を生み出すことはできない。そこで職場適応(社会性)が必要になる。 職場適応には、人に合わせ、和を乱さないことに注力する“集団維持”と、シナジーを生む活動につながる“チームワーク”というレベルがあるが、単に集団維持を志向するだけではチームとしての競争力を発揮することはできない。チームを活用し、人間関係を新たに構築していくチーム作りが求められる。企業において、成果を発揮できる人材とは、所属組織に合わせていく社会化過程と自分の考え、やり方で組織に働きかけていく個人化過程の双方を持ち合わせた「創造型」の人材である。 創造型人材であるためには、相互依存関係(影響を発揮しあう関係)に対するパワーと認知の両方が不可欠である。パワーとは、独りよがりな傲慢ではなく、目標達成型の“自尊感情”を指す。また認知とはお世辞やゴマスリではなく、関係を正しく理解する“共感性”である。人材のレベルによって、チームのレベルも規定される。例えば孤立型人材が多ければ、強制的な管理を行うチームにならざるを得ないし、関係創造型人材が集まれば、創造的なチーム作りが可能となる。したがって、従来のように、戦略が先にあり、そのための組織と人材を収集するというチーム作りをしていたのでは、実際には適切な人材を集めることは困難であり、成果を出すことは難しい。外部環境の変化が激しい昨今では、まず創造的な人材を集める(あるいは育てる)ことから始め、その人材が効果的なチームをつくり、適切な戦略を立てるというプロセスでなければ、十分な成果を上げることは期待できない。 また、チームには機能的側面と仲間的側面がある。機能的側面を高めるためには、各人のコンピテンシーを向上させ、同時に組織の柔軟性を高める。仲間的側面を高めるためには、オープンな組織として、各人が人間関係力を向上させ、礼儀を守るといった努力が必要である。ただし、どんなに素晴らしいチームであっても、2年後にピークを向かえ、5年後にはチームとしての成果を期待できない状況に陥る。よって、企業はこうしたことを前提において、メンバーにエクスターナル・チームを経験させる、あるいはメンバーの入れ替えを行うなどの方法により、定期的な活性化を図ることが求められる。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 企業競争力につながる人間関係の・・・ 00: 00: 53 本日のテーマ 00: 01: 28 今日の流れ 00: 01: 48 問いかけ 00: 02: 48 企業で成果を生み出すための2つの・・・ 00: 05: 37 究極のハイパフォーマー 00: 10: 47 職場適応の2つの方向性 00: 12: 44 集団維持への働きかけ 00: 16: 24 社会化と個人化 00: 21: 18 社会化と個人化の度合い 00: 22: 16 創造型であるためには 00: 26: 54 チームにおいて力を発揮する人材 00: 31: 46 チームのレベル 00: 34: 37 これからのチームの考え方 00: 40: 17 チームに関するもうひとつの側面 00: 44: 45 機能的側面を高めるために 00: 48: 54 エクスターナル・チーム 00: 51: 55 仲間的側面を高めるために 00: 54: 46 チーム効率 00: 57: 37 今日のまとめ