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> 組織人事ライブ360:川上真史

心理学から見た組織の人間関係論


概要:
過去10年、能率を高めるためには独自性のある個としての人間を尊重するマネジメント(セルフマネジメント)が望ましいとされてきた。しかし近年は、セルフマネジメントでは、「シチュエーションに応じて自分と相手との距離感を変えていく作業」(セルフプレゼンテーション)ができないという問題が顕在化し、人間関係を重視する動きが見られ始めた。
人間関係のポジティブな要素をうまく引き出すためのポイントとは何か。本講座では2回(組織人事ライブ364「企業競争力につながる人間関係の構築」)にわたり、心理学の諸説を引きながら、人間関係を活かした組織づくりのポイントを学ぶ。
セルフマネジメントこそ高能率・低コストの最たる手段と考えられていた過去10年、企業の人間関係は、ネガティブな側面を回避したいがために、むしろ希薄なほうがよいとする向きがあった。しかし近年は、集団のパワーに着目し、人間関係を活かした組織づくりが多くの企業で見直され始めている。

人間関係を意識せねばならなくなった背景には、「シチュエーションに応じて自分と相手との距離感を変えていく作業」(セルフプレゼンテーション)ができなくなってきたという現状がある。パーソナリティ論研究で著明なオールポート(Gordon Willard Allport)の言に従えば、人間関係では、ややもするとネガティブな感情が強く出るため、「同情」「模倣」「暗示」によるポジティブ要素が発揮されにくいとしている。
哲学者マックス・シェーラー(Max Scheler)は、人間関係には「感情移入」に始まる7つの段階があり、関係を深めていくにはそれなりの思考力と感受性が必要だと説く。心理学者ゴウの、支配性と社交性の関係論をベースに考えると、日本の組織の問題は、強い指導力を持つリーダーによる高社交的集団から、批判ばかりで関わりを回避する低社交的集団にシフトした弊害が露出しているようだ。ハイパフォーマンスを発揮するためには、高社交性の回復が必要になろう。

ただし人間関係をベースとした組織運営は、両刃の剣であると留意しておく必要がある。集団化することで得られる安心感、自己認知、パワーが、常にプラスの効果をもたらすとは限らない。なれ合いから活動の停滞が生じ、逆に成果が低下する恐れもある。社会心理学者のブレームは、「親密度」「相互依存度」「関係が自分を支える度合い」の3つが高いほど、関係も強く楽しくなると説いている。その反面、関係が強いほど、悪化した場合の反動は大きくなるため、深めすぎない中庸さを持つことが重要だ。人間関係論のポジティブな側面を理解し、積極的に活用することによって企業の内部充実が期待できる。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 心理学から見た組織の人間関係
00: 00: 52 本日のテーマ
00: 02: 14 今日の流れ
00: 02: 30 問いかけ
00: 03: 19 人間関係の基本
00: 08: 38 なぜ人間関係が作りあげられるのか
00: 11: 41 人間関係の段階
00: 19: 59 人間関係の3タイプ
00: 23: 00 人間関係の基軸
00: 27: 01 何によって相手を判断するか(中心語)
00: 30: 21 なぜ人間関係は必要なのか
00: 33: 30 人間関係を持つことでの安心感
00: 36: 47 企業内での人間関係による安心感
00: 38: 36 人間関係による安心感のネガティブ側面
00: 43: 17 人間関係による自己認知
00: 45: 48 人間関係による自己認知のネガティブ・・・
00: 48: 41 社会的促進現象
00: 50: 16 人間関係によるパワー
00: 51: 37 集団によるパワー
00: 53: 39 人間関係がよいほど楽しいか?
00: 55: 11 人間関係の発達
00: 57: 31 今日のまとめ
講師紹介: 川上 真史(かわかみしんじ)
ワトソンワイアット株式会社コンサルタント
早稲田大学 文学学術院 非常勤講師 株式会社アトラクスヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産能総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループを経て、現職。 数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。

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  アシスタント:岩崎里衣

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