給料が上がらない、非正社員の増加、所得階層の二極化など、Lower-Middle時代の諸現象が、生活の豊かさを奪い、税収の不足を招いている。今回は、この問題を解決するための方策について考える。
今、日本では、給与が600万円以下のLower-Middle以下の層が国民の8割を占めているという。マジョリティーとなったLower-Middle層の生活の質をいかに向上させるかが、国の重要な課題なのだ。
世界的に見ると、日本の平均世帯所得は高い水準にあるにも関わらず、多くの国民が悩みや不安を抱えている。先進国の中ではもっともサービス価格が割高で、生活者は年金などの社会保障費や日常の生活費に関しても負担が重いと感じているのだ。
割高な食料品を買わされ、狭い住宅に住まざるを得ないのは政治が無策のため。規制緩和を行って過度な産業保護を撤廃し、市場開放を促進すれば、こうした生活コストを下げられると、大前氏は説く。たとえば、割高な携帯電話の料金も、規制の緩和・撤廃をすれば、もっと下げられるはずなのだ。
現在の700億円超の公費負担がかかっている衆議院選挙に関する費用も、100億円程度の開発費で電子投票を導入すれば、支出の無駄が省ける。市町村の業務も、自治体のBPOカンパニー一社にアウトソースすれば、地方公務員の数は10分の1に削減できるのだ。さらに税制改革に関しても、フローへの課税からストックへの課税に切り替えることで、安定した財源を確保できるという。
こうして老大国にふさわしい税体系への移行を行い、小さな政府を実現し、開放経済を推進すれば、Upper-Middleの生活水準が実現できると、大前氏は力説するのである。
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