日本製品の生き残りにおいて重要となる「グローバル・ブランドの構築」について考える。世界中で認知されるブランドの確立には巨額な投資が必要だが、これまでの日本企業のブランド戦略では迷走が目立った。 大前氏が説く「鉄則」は、コーポレートブランドと社名を一致させること、既存のブランド価値を否定するような上位・下位のブランドは作らないなど。また中小企業や産業材メーカーでもブランド戦略は軽視できないという。
いま改めて「ブランド価値」が注目されている。日本製品の生き残りにとっても重要なテーマだが、世界の消費者に認知されるグローバル・ブランドの確立には、最低でも1000億円かかるといわれている。工場を建設するより巨額の投資となるため、慎重な取組みが必要なのだ。現状では、高い価値を持つブランドの上位はほぼアメリカ企業で占められている。しかもマルボロなどの例外を除き、ほとんどの場合、企業名とブランド名が一致している。また、ローカル・ブランドとの使い分けではネスレの戦略が優れており、個々のブランドの独自性を生かしつつ本社がそれを統括するモデルでは、「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイヴィトン)」が参考になる。 一方、日本企業では、松下電器の製品でパナソニック、ナショナルなどが混在するなど、グローバル・ブランドの構築では失策が目立つ。ユニクロを例にとれば、ユニクロは企業名なのかブランド名なのか釈然としない。ブランド戦略が迷走しているのだ。 グローバル・ブランド戦略における鉄則として、コーポレートブランドと社名は一致させること、ソニーの「クオリア」のように、既存のブランド価値を否定するような上位、あるいは下位のブランドを作らない、などがあげられる。ただし後者には、高級ブランドのディフュージョン(ダナ・キャランにおけるDKNYなど)のような例外もある。また、ナイキ、メルセデス・ベンツのように視認性の高いロゴを持つことも有効だ。 中小企業や産業材メーカーではブランド戦略は軽視されがちだが、顧客との信頼獲得、企業価値向上の手段だと考えればその重要性は明らか。部品メーカー、インテルが展開した「インテル・インサイド」キャンペーンなどの成功例もある。口コミの重要性から、今後はネットを使ったマーケティングもますます必要性が高まるに違いない。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 ブランドの鉄則 00: 06: 47 ブランドとは? 00: 11: 32 ブランド・エクイティ(資産価値)と有用性 00: 12: 43 ブランド化の対象となるもの 00: 15: 49 ブランド階層とブランド戦略の主な訴求点 00: 18: 56 ブランド戦略の体系 00: 20: 54 2005年グローバルブランド価値ランキング 00: 24: 31 グローバルブランドのマネジメント上の課題 00: 28: 59 事例:ネスレ 00: 31: 17 事例:P&G 00: 33: 43 事例:LVMH 00: 37: 32 松下グループの保有ブランドの状況 00: 39: 10 事例:松下電器産業のブランド改革 00: 42: 05 事例:ソニーのブランド拡張の失敗 00: 46: 05 事例:ユニクロに見るブランド戦略の迷走 00: 48: 36 事例:雪印 00: 50: 00 グローバル化におけるブランド戦略の鉄則 00: 51: 13 国際的なブランドとロゴの関係 00: 52: 54 中小企業・産業材メーカーとブランド戦略 00: 53: 49 中小企業のブランド成立・育成のポイント 00: 54: 52 産業材メーカーとコーポレートブランド戦略 00: 56: 12 産業材メーカーの顧客アプローチ 00: 57: 17 産業材メーカーのブランド戦略への取り組み 00: 58: 12 ブランド構築のコスト 00: 58: 46 ブランド構築の投資対効果