今日、one to oneマーケティングとして知られている考え方は1980年代末にボストンコンサルティングによってセグメント・オブ・ワンという呼び名で提唱されたもののリバイバルでもある。 マーケットのセグメンテーションをどんどん進めていくと、ついには顧客一人で構成される個人セグメントに行き着く。そのようにマーケットを捉えることのメリットと、そのようなマーケティング実施のためのツールなどについて解説する。
マーケットを全体(マス)で捉えると、全体の平均化された動きしか見えず、セグメント毎の違った動きを見過ごしてしまう「平均化の罠」や、様々なニーズに中途半端に応えた、二兎追う者は一兎を得ずといった商品を作ってしまう「最大公約数の罠」に陥りがちである。 セグメンテーションとはこれらの罠を回避するため、マーケットの全体をある特定の属性で切り分けて、違った特性を持つ複数のマーケットの集まりだと理解するものである。また重要なのは、その違ったマーケットに対して、各々のマーケット特性に応じて違ったマーケティングミックスを適用することである。 セグメント・オブ・ワンとは、この考えを推し進め、一人の顧客で構成される個別のセグメントを想定してマーケティングを行うことを指す。馴染みの料亭で受けられるような、特定の顧客の好みに合わせた特別なサービスを、全ての顧客に対して提供する訳である。例えば化粧品業界がこの考えを早くから取り入れている。肌診断を行ってカルテを作り、それに沿った商品をカウンセリングで勧める。購買履歴はデータとして店舗で共有され、来店時にはカルテや購買履歴などに基づいたカスタムサービスが受けられる。こうしたサービスを提供することで、顧客をそのブランドや店舗に誘引し、つなぎとめることができる。 しかし、こうした方法は顧客満足を高める一方で、コストが高くつく。そこで、そのコストに見合うだけ、つなぎとめた顧客に商品を購入してもらおうという考えがCRMである。CRMはインターネットのブームと共に広まったが、最近はあまり取り沙汰されなくなった。これは、CRMというと購買履歴データのマイニングのことを指すとの勘違いがあったためだと考えられる。しかし本来的なCRM、あるいはセグメント・オブ・ワンの考え方は有効であり、それをうまく機能させるための条件を満たした実践が伴わせることが重要だとの認識が必要である。その条件とは、ITに頼りすぎないこと、競合優位性を実現する方策を持つこと、経済性(十分な売上)を見込むこと、の3つである。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 消費者ニーズを科学する セグメント・オブ・ワン 00: 03: 57 2つの罠を回避する 00: 12: 03 携帯電話のターゲットセグメント(香港) 00: 14: 15 韓国における携帯電話のブランド 00: 19: 20 セグメント・オブ・ワン戦略 00: 30: 15 CRMの蹉跌 00: 36: 55 脱・分類 00: 37: 25 Actionability = だからどうすれば良いのか? 00: 39: 42 セグメンテーションの例1 00: 41: 45 セグメンテーションの例2 00: 46: 22 金融サービスXのユーザー構成比 00: 49: 27 コストに関するセグメンテーション例(米、固定電話) 00: 51: 53 ビジネス構成上の相違 00: 57: 10 In-Homesアプローチ 00: 58: 10 複眼議論のツール 00: 59: 00 脱・分類