問いかけ:あなたが「会社に囲い込まれている」と思う瞬間は? 日本企業の多くは、工業化による発展段階で人材の囲い込み組織体制で成功してきた。しかしグローバル化の急進や個人のライフスタイル意識の変化により、囲い込み型組織制度は崩壊の危機にある。 今回は、欧米・中国の企業組織の人事制度に詳しい太田氏をゲストに迎え、諸外国の企業組織の実態を聞く。また、太田氏の提唱する「適応主義」のシステムの概要を解説してもらい、インフラ型組織へのシフトの必要性を解説してもらう。
終身雇用制、年功序列制、企業別組合、社宅などを含む福利厚生制度などにより、日本では社員だけでなく家族も囲い込む諸制度がある。また、何らかの制約で副業を禁止している民間企業は70%を超え、職務に専念する義務を定めており、情意などによる、あいまい評価で社員を内面的にも拘束している。 こうした囲い込み組織は、これまでの工業社会では企業にも個人にも有効に作用していた。しかし多様化社会になり、組織にぶらさがるだけの功利的組織人が増え、不利な情報の隠蔽、忠誠心を示す演技、無能の装い、知識や情報の出し惜しみ、達成確実な目標設定といった、負の材料が多く出るようになってきた。これらは成果主義が生んだ弊害ではなくて、社内の基準が客観的に定まっていないから、内向き思考にならざるをえない側面もある。安定性の価値観が希薄になり、若年層を中心に囲い込み組織を回避するようになっているので、明確な客観評価を定め、真の意味の成果主義を導入しないと、優秀な人材の確保は困難である。 欧米の伝統的な大企業組織は、トップダウンの意思決定が徹底しており、職務主義で、職務、職種に応じた給与体系を採用している。中国の企業組織は職務の概念はあいまいであるが、罰金制度が徹底している。雇用についても市場原理、競争原理が徹底されており、3カ月程度の試用期間を経て採用している。欧米も中国も実力対応待遇をしているので、日本のような、給与・処遇面での女性差別は薄い。 囲い込み制度を廃止して日本企業は、どの方向を目指せばよいのか。個人が自ら主体となって、市場や顧客の要求に適応し、適応の度合いによって有形無形の報酬を受ける「適応主義」(太田氏命名)の導入が進みつつある。ここでの人事制度は、中途採用、紹介予定派遣、トライアル雇用などにより雇用の多様化を進め、社内では、ドラフト・FA制度、役職立候補者制度などの導入により、人材流動化への対応と組織活性化が期待できる。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 21世紀型組織への変革 00: 01: 55 21世紀型組織への変革 00: 02: 23 今日の流れ 00: 02: 42 問いかけ 00: 05: 39 社員を囲い込む諸制度 00: 08: 54 兼業を禁止している企業 00: 10: 54 二重就職者の推移 00: 19: 09 功利的組織人の行動(例) 00: 28: 03 欧米の企業組織 00: 29: 31 中国の企業組織 00: 43: 31 適応主義のシステム 00: 44: 24 適応主義とは? 00: 50: 18 囲い込み型組織とインフラ型組織 00: 55: 41 今日のまとめ