1984年に1号店を出店したユニクロは、1998年に原宿店を出店し、その後のユニクロブームを巻き起こす。1998年決算で売上800億円、経常利益63億円の規模であったものが、2001年決算で、売上4,000億円、経常利益1,000億円に急成長した。玉塚氏はそのような急成長期のスタートとなった1998年にファーストリテイリングに入社している。2002年決算の計画では5,000億円の売上を見込んでいたが、しかし実際には3,400億円の売上にとどまった。
アナリストらは「ブームは(急成長をもたらすと同時に、様々なデメリットをももたらすが故に)危険だ」と言う。しかし、玉塚氏はブームはコントロールできるものではないし、成長のチャンスだと前向きに捉えることも必要だと反論する。と同時に、なぜあのような結果になったのかについての分析として、ヒット商品を求めて顧客が店に殺到したため、欠品に過剰に気を回したことを原因に挙げている。代わり映えしない商品しか取り揃えられず、商品の進化もさせられなかった。それが顧客に見透かされたことが減収減益の根本的な原因だと言うわけである。
ユニクロが強さを取り戻すには、この原因分析を踏まえ、ユニクロの特徴を活かした戦略を立てねばならない。ではユニクロの特徴とは何なのか。玉塚氏は、圧倒的な多量を売り切る力にその秘密があると言う。そのために、アパレルの常識に反して、多量の販売が可能なようにターゲットセグメントを広く採り、ベーシックな商品を商材としている。
また、多量の商品を安価かつ高品質に製造できるよう、原料調達を含めたバックエンドの仕組みを整えている。加えて、店舗オペレーションと店長人材の育成にも強みがある。本社では週単位で販売戦略の練り直しを行い、それに基づいて店長を徹底的にサポートしている。
このようなビジネスシステムがひとつにまとまって、ユニクロとしての強さが生まれている。この原点を改めて見つめ直したことが、減収減益からの復活を遂げられた理由と考えられる。
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