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BPUビジネス基礎講座 製品開発の価値創造 > ビジネス基礎講座 製品開発の価値創造05

ビジネスモデル:アウトソーシングと企業間関係


概要:
 1990年代までの産業界でのモノづくりの流れは、垂直統合型が中心だった。その後、工程のデジタル化、競争の激化、中国・台湾の製造力が向上したことなどから、水平分業・垂直分業へと移行しつつある。

 今回は日米の自動車産業における製造工程の企業間関係の相違を比較しながら、製品開発に有効な外注企業との連携・アウトソーシング手法や、先進的なマスカスタマイゼーションの事例も紹介し、具体的なビジネスモデルを提案する。
 近年、特にデジタル家電や情報機器類で、製造委託:EMS(Electronic Manufacturing Service)や商品揃え:OEM(Original Equipment Manufacturing)、設計委託:ファブレス(Fabless)といった分業化が急である。これは、部品や製造のモジュール化が進み製造が容易になったことと、製造工賃の安い他地域の製造技術力が向上したことで、アウトソーシングしても自社製造と遜色ない製品ができるようになったことに起因する。また、専門分野に特化した企業が出現したことで、自社で開発するより、そうした企業から部品や技術を購入したほうが投資コストの低減になるし、業界標準の重要性が増したからでもある。

 外注企業との関係性のマネジメントには、企業間相互のコミュニケーションを重視したVOICE関係による協同・パートナー的なクローズ型か、ビジネスライクに割り切ったEXIT関係による契約的なオープン型がある。日米の自動車産業を比較すれば、日本企業の多くはVOIVEタイプで、アメリカ企業の多くはEXITタイプである。たとえばサプライヤーの納入する部品の品質に問題が生じたとき、日本企業は共同で問題を解決しようとするが、アメリカ企業では、取引先を他のサプライヤーに変更することが多かった。しかし最近、EXITタイプの企業間関係を採用している企業も、サプライヤーからの信頼性の高いVOICEタイプに変更するケースが多くなってきている。VOICEタイプ、EIXTタイプ双方のメリットをミックスした企業間コミュニケーションの構築が理想像である。

 外注企業との関係性は、リスク回避のため1部品あたり複数社との取引が理想的であるが、サプライヤーが多くなれば調達関連コストが高くなる。3社程度が損益分岐点であると計算している学者もいる。逆にサプライヤー側としても、1社の特注品に限定せず、強力な営業部隊を編成して潜在ニーズを発掘し、アイデアを駆使した高付加価値な汎用品を提供(マスカスタマイゼーション)する戦略もある。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 ビジネス基礎講座 製品開発の価値創造
00: 01: 01 ビジネス基礎講座 製品開発の価値創造
00: 02: 04 第5回の内容
00: 03: 25 産業構造の分業化
00: 05: 09 「垂直統合」から「水平分業」へ
00: 09: 04 1990年代から「垂直分業」の加速
00: 14: 54 垂直・水平分業化の背景
00: 22: 56 部品特性と戦略の選択
00: 28: 43 外注(アウトソーシング)の場合
00: 34: 10 EXITとVOICE
00: 36: 47 自動車企業の信頼性
00: 37: 25 トヨタの包括的なサプライヤネットワーク管理
00: 40: 28 アウトソーシング・ネットワーク構造の分類
00: 46: 39 調達先企業数とコスト
00: 50: 29 企業間ネットワークの成功事例
00: 51: 13 顧客の潜在ニーズを集約するビジネスモデル
00: 52: 37 キーエンスの顧客ネットワーク戦略
00: 53: 57 マスカスタマイゼーション
00: 56: 17 マスカスタマイゼーション:デルの事例
00: 58: 31 まとめにかえて
講師紹介: 延岡 健太郎(のべおか けんたろう)
神戸大学経済経営研究所 教授
大阪大学工学部精密工学科卒業後、マツダ株式会社に入社。マサチューセッツ工科大学より経営学修士取得後、同大学よりPh.D(経営学博士)を取得。
現在は神戸大学経済経営研究所教授、経済産業研究所ファカルティフェロー。

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  アシスタント:伊藤 協子

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