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BPUビジネス基礎講座 製品開発の価値創造 > ビジネス基礎講座 製品開発の価値創造04

組織プロセスのマネジメント


概要:
 全6回のシリーズのうち、前回までは製品開発の基本戦略の構築と、組織体系のあり方について述べた。今回は、実際の組織における製品開発プロセスのマネジメント手法を案内する。

 特に製品開発においては「コンカレント(同時的協議)・エンジニアリング」が重要であるため、その内容を詳細に述べる。また自動車産業を例にあげ、講師の主要研究テーマでもある、日本のモノづくり企業がなぜ組織優位性を持っているのかにも触れる。
 製品開発プロセスは、目標の機能が高品質、低コストで、しかも最小の工数(人・時間)で実現できるかを最大の目的とする。これを実現するには、複数の技術・部品・工程を必要とし、かつ市場ニーズにも適合しなければならないので、創造性の高い問題解決プロセスを必要とする。このため問題解決プロセスにおいて、シークエンシャル(一括)型の情報移転では不可能なので、コンカレント(分散)型情報移転ができる組織体系を形成することが必要になる。最近ではDMF(Design for Manufacturing)=生産しやすい設計が強く言われるようになっているので、製品設計と生産技術間、複数の部品設計間での共同作業やフィードバックが必要な複雑系製品開発では、特にコンカレントが重要になってくる。タスク(作業)相互の、どこに依存性があるのかを科学的に発見するツールとして、MITでDSM(Design Structure Matrix )という手法も開発されている。

 コンカレント・エンジニアリングは、タスク間で相互に共同できることに加え、フロントローディング(問題解決の前倒し)にも有効に作用する。組織を横断したフロントローディングがしっかりできれば、開発工数・時間ともに減少できるし、高品質が期待できる。
 たとえば日本の自動車メーカーの場合、外国と比べ製品設計や開発組織が複雑で、きめ細かな顧客ニーズに対応するため、プロジェクト重視組織によるコンカレント・エンジニアリング、フロントローディングを重視している。このため、組織の摺り合せ能力が非常に高く、製品開発の工数を大幅に短縮できている。日本の高度なフロントローディングは、チーム重視の協働性、スキルのオーバーラップ、プロセス主導という企業文化に支えられているので、欧米企業では真似ができない。開発対象製品の性質により、アメリカ型の科学的なDSMアプローチをするか、日本型の組織的・人的・全体的アプローチをするかを使い分けることが、組織プロセスのマネジメントでは重要なポイントになる。
 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 ビジネス基礎講座 製品開発の価値創造
00: 00: 55 ビジネス基礎講座 製品開発の価値創造
00: 02: 59 第4回の内容
00: 03: 29 複雑な試行錯誤・フィードバックプロセス
00: 06: 12 コンカレント・エンジニアリング
00: 07: 45 コンカレント・エンジニアリングが必要な場合
00: 11: 45 情報移転の方法
00: 14: 59 組織におけるタスク間関係
00: 17: 00 DSM-相互依存性の発見ツール
00: 19: 18 半導体の製品開発の事例
00: 20: 19 コンカレント・エンジニアリングの目的
00: 25: 29 フロントローディングの要件
00: 34: 39 自動車製品開発の国際比較
00: 37: 07 自動車製品開発工数の日米欧比較
00: 40: 19 開発工数と新規部品比率
00: 41: 15 日本企業のフロントローディング能力が鍵
00: 44: 03 日本企業における製品開発期間の短縮
00: 45: 23 日本企業の組織能力(1)
00: 51: 18 日本企業の組織能力(2)
00: 56: 24 分析重視アプローチと全体性重視アプローチ
00: 58: 21 製品開発プロセスに対するアプローチ
00: 59: 10 分析重視アプローチと全体性重視アプローチ
00: 59: 25 まとめ
講師紹介: 延岡 健太郎(のべおか けんたろう)
神戸大学経済経営研究所 教授
大阪大学工学部精密工学科卒業後、マツダ株式会社に入社。マサチューセッツ工科大学より経営学修士取得後、同大学よりPh.D(経営学博士)を取得。
現在は神戸大学経済経営研究所教授、経済産業研究所ファカルティフェロー。

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  アシスタント:伊藤 協子

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