問いかけ:あなたにとって、「良いキャリア」の条件とは何でしょうか 近年、「スロー」をキーワードにした概念が流行している。スローライフなどのスローと意味合いは違うが、昇格や報酬などへの上昇志向を望まぬ、対人関係動機やプロセス動機の強い人材、彼らをスローキャリア人材と呼ぶ。こうした人材の活用が企業にとって、いま大きな問題となっている。 人事マネジメントとして、彼らのパフォーマンスをどのようにしたら活かせるのか。彼らの精神特性を逆手に取った有用な方策を、導入事例を示しながら提案する。
スローキャリアとは、仕事などに対する動機が、上昇・達成感を得ることより、対人関係やプロセス面に重いシフトを置く人と位置づける。これは決して仕事やキャリアに否定的な意味ではなく、何らかのこだわりやポリシーを持ち、出世・報酬・ポストなどより、「自分らしい」キャリアを求める人たちのことを言う。こうした志向を持つ人が最近、特に20代前半世代で多くなっている。これにより、たとえば成果主義など全員が上昇志向であることを前提にした人事制度は、いまや有用に機能するとは言えない。 彼らは出世などの明確な目標を持たない場合が多いが、日々努力を続けることによる継続的な成長は求めている。このため彼らの成長プロセスを満足させるための動機を活用すればいいことになる。 たとえば高度プロフェッショナル人材や、顧客接点人材として位置づけるマネジメントが有効となる。ただし、仕事と顧客との連動性(So What)や、成果に対する説明責任があることだけは常に意識させ、彼らが一極で暴走しないようマネジメント側がガイディングする必要がある。その結果、組織として、あるいは個人としての成果も正当にフィードバックすることが、彼らのモチベーションをより高めることにつながってくる。 彼らを含めた中長期的なマネジメントを考えると、管理的で威圧的な年功序列の見直しも必要になる。年功序列があると上昇志向の強い若手優秀者は育たないし、上昇を望まないスローキャリアの若手優秀者も、場合によっては流出する。 ではどうしたらいいのか。昇進や伝統的なジョブローテーション、転勤、これら以外の要因での継続的成長のための職務編成と、それを支える人事制度の構築が必要だということになる。つまり、仕事や役割を序列ではなく機能としてとらえ、個々人のキャリア権を尊重した柔軟な組織編成がスローキャリア人材の有効活用には重要だということになる。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 スローキャリア人材の意味と人材マネジメント 00: 00: 45 スローキャリア人材の意味と人材マネジメント 00: 02: 11 今日の流れ 00: 02: 32 問いかけ 00: 06: 39 スローキャリアとは 00: 11: 21 スローキャリア人材のマネジメントがなぜ重要か 00: 23: 50 良い仕事人生の条件 00: 29: 51 日々のマネジメントの課題 00: 43: 05 年功序列の意味 00: 44: 17 継続的成長の実現 00: 53: 33 多様な働き方の実現 00: 56: 05 今日のまとめ