2004/07/06収録 (於:帝国ホテル) 21世紀のボーダレス経済では、先見性を持った人材が必要となる。ところが従来の日本企業の人事部では、採用を重視し、トレーニングは現場任せ。これでは古い考えしか学べず、新しい発想は生まれない。なるべく早くジェネラリストを育て、35歳までにひとりで事業を任せられる程度に育てることが重要だ。 新しい企業文化を作るのは人事部の仕事。今後は人間の能力で経済基盤が決まる時代だということを肝に念じてほしい。
21世紀の経営環境は〝目に見えないもの〟との戦いである。ITの発達したボーダレス経済では、見えないものを見る先見性を持った人材を育てる必要がある。ところが、従来、日本企業の人事部では、採用を重視しトレーニングは現場任せにしてきた。しかし今後はそれでは不十分。会社の先輩から教えてもらうシステムでは古い考えしか学べず、10年もすれば「その企業の染色体」が染み付いてしまうからだ。全員が同じものを見ていれば、新しい考えは生み出せない。 カメラ付き携帯の普及で「カメラ業界」というものが消滅したように、21世紀は企業や産業が〝突然死する〟時代である。なぜ今ビジネスの世界で「グーグル」が重要なのか、i-podの成功とタワーレコードの凋落は何を意味するのか、それらの事象を理解し、こうした新しい考えを自分の会社の事業に生かすことができる人材が求められているのである。 世界規模のBPOが進むなど、経費の節約、生産性の向上に関しても、旧来の発想ではグローバルな企業競争に打ち勝つことはできない。今、世界で起こっていることを理解し、見えないものを見る人材を育てるにはどうすべきか。 「若い頃から経営のツールを学ばせ、日本のことも世界のこともわかるジェネラリストをなるべく早く育てるべき」と講師は言う。勝負は35歳あたりで決まる。35歳までに、ひとりで事業を任せられるような人材をどれだけ育成することができるかが重要となるのだ。 また、意思決定をする際には、同類項を集めるのではなく、ある種の異端児や年代の違う人も含めるなど多様性を持たせることも鍵になる。こうした開かれた経営システムや新しい企業文化を作るのは、人事部の仕事に他ならない。21世紀は人間の能力で経済基盤が決まる。傑出した個人の重みが、ますます増す社会になるといえるだろう。