問いかけ:バランスが悪くて、失敗したことは何ですか? >> 中谷彰宏 今回の直筆メッセージ “しがらみの中で、バランスを学ぼう。” (c) 2004 Akihiro Nakatani 社会のあらゆる場面で発生する「しがらみ」を乗り切る、あるいはスケールと自由度の均衡を保つ切り札となるのが、「バランス力」である。運のよさに自分で気づき、自分の人生を好循環させるのも、この力が大きく作用する。 できるビジネスマン必携のバランス力の蓄え法を、わかりやすい身近な例を挙げながら解き明かす。
“しがらみの中で、バランスを学ぼう。”
(c) 2004 Akihiro Nakatani
多くの不可抗力がはたらき、自分にとって理不尽だと思えることの多い社会で「しがらみ」の中に入ってしまったり落ち込んだときは、いかに自分のバランスを保ち、立て直していくかによって、人生の岐路は大きく左右される。 長い人生はアップダウンの連続である。誰もが右肩上がりの成長グラフを描き続けていけるわけではない。大事なのはダウンから再度立ち上がる力である。野球でもサッカーでも、逆転されたらもう勝てないチームは弱い。強いチームは、逆転されてからでも再逆転ができる。これは、トライしている現実から一歩離れ、全体像を掌握する目でバランスが読めているからだ。 ハッピーな人生のために忘れてならないのは、自分の身の丈に合った成功の大きさの尺度を知り、どの程度のスケールに抑えるかである。成功している段階では、スケールメリットだけを追いがちだ。しかし、成功の度合いが大きくなればなるほど忙しさの麻薬的感覚に陥り、いつしか身動きがとれなくなる。余裕が感じられなくなったら、求める尺度のバランスを失っていると省みるべきだ。自分にとって過大な成功は、逆に自由度を失うことにもなる。 人生というものはよくできていて、各個人の運不運も客観的に見れば、きれいなバランスの上で繰り返している。不運と感じる一方には必ず幸運があるはずだ。この一定則にいち早く気づく人、つまりバランス力を持ち得た人は幸運の好循環に恵まれる。 自分にバランス力が備わっているかどうかを知るには、無宗教者であっても写経にトライしてみるといい。心が揺れ動いていれば、写経の文字は如実に乱れる。 バランス力とは、人生を勝ち抜く運動神経そのものである。学校では決して教えてくれない、このバランス力を蓄えられるのがサラリーマン社会であると考えると、サラリーマンもまた楽しい。