サービス産業は、提供するサービスそのものでの差別化が困難である。このため差別化戦略の一貫としてITを導入している企業が増えている。 今回は人材派遣業で急成長している「スタッフサービス」のIT戦略担当である佐藤氏を招き、同社のIT活用のキーポイントになっている「2時間人選」によるスピード経営の、導入前、導入後の変化を中心に話してもらう。
1981年に創業したスタッフサービスは、人材派遣業界では後発ながら、2004年3月現在の登録者数は約105万人、取引先数が約47万件、事務スタッフ派遣分野ではナンバーワン企業の位置にある。人材派遣業は、自社で製品(派遣人材)を生産するわけではないし、登録人材が流動的なため、品質管理が困難な業種である。スタッフサービスでは、2000年にサービスを開始した「2時間人選」と、2001年に開始した「Arrival25」サービスなどにより、顧客・登録人材双方への派遣対応の定量化されたスピードさを付加価値として、トップシェアを守り続けている。 「Arrival25」とは、顧客から人材派遣の要請の電話やメール等を受けた時点から25分以内に、同社の営業マンが顧客先にArrival(到着)するシステムである。定量25分という到着時間を明確に示すことで、スタッフサービスは顧客に対して安心感を与え、素早い対応が高い評価を得ている。このシステムのプラットホームは営業マン各自が携帯しているPDAを基本としているが、時と場合に応じて、携帯電話、メールを使い分けている。かつ、顧客への電話が途中で切れる失礼を回避するため公衆電話も利用している。 人材派遣の契約が成立した場合、今度は「2時間人選」のシステムが活躍する。営業マンがPDAに入力した人材の条件は、即時にスタッフセンターに伝えられ、センターでは人材のデータベースをもとに検索と絞り込みを実施、該当する登録人材に即時に連絡する。 同社のITを使ったこうしたシステムの開発にあたっては、メモもマウスも使わず無駄な時間を徹底的に排除した操作性を最重要視した。また、日々の業務で気づいた操作性の弱さなどは常にチェックを加え、サーバ容量変更など、システムそのものも進化し続けている。スタッフサービスでは「過剰」とも思えるサービスを提供しているが、ITの活用により、それがコスト増に反映されていないことが大きな特徴だと言える。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 ITを活用したサービスビジネス 00: 01: 49 ITを活用したサービスビジネス 00: 03: 07 佐藤治夫 氏プロフィール 00: 03: 29 スタッフサービスグループ概要 00: 04: 00 スタッフサービスグループ沿革 00: 06: 23 人材派遣の基礎知識 00: 07: 43 人材派遣業の特色 00: 09: 31 「スタッフサービス」の強さの秘密 00: 09: 38 売上推移 00: 10: 22 稼働実績累計推移 00: 11: 51 累積登録者数推移 00: 12: 59 売上成長率推移 00: 14: 06 派遣業界シェア 00: 14: 30 スタッフサービス競争戦略のポイント 00: 20: 18 営業システム概要① Arrival25 00: 23: 50 システム構築の原理原則‐IT化前半 00: 24: 27 システム構築の原理原則‐IT化後半 00: 27: 31 NCPシステム 00: 28: 56 IT活用のポイント「2時間人選」 00: 34: 37 営業システム概要② 2時間人選 00: 42: 13 人選の原理原則‐IT化以前 00: 50: 14 システム構築の原理原則‐IT化前半 00: 51: 05 システム構築の原理原則‐IT化以後 00: 55: 04 @working 00: 56: 08 本日のまとめ1 00: 58: 36 本日のまとめ2