神奈川県の2004年度予算はおよそ1.5兆円。そのうち、歳入の多くを占めるべき法人税等はバブルの頃は5,000億円ほどあったのが2,500億円程度にまで減っている。その一方、歳出では人件費率が51%にのぼり、(政策とは無関係に支出しなければならない)義務的経費の比率は予算全体の75%にも達する。税収が景気で乱高下するため、地方財政は構造的な厳しさを背負っている。三位一体の改革が必要なゆえんがまさにここにある。
神奈川県ではこのような情勢を踏まえ、公的事業に民家資本が参加するPFIや、県庁内ベンチャー制度とも呼ばれる新規事業自由創設制度など様々な工夫を講じて、行政サービスの提供を行っている。このような動きが本格化したのは、松沢氏がマニフェストを掲げた選挙で選ばれた知事であり、そのマニフェストにこうした動きを公約として謳っていたことが一つの大きな理由となっている。
今まで政治と言えば、スローガンや抽象的な公約を掲げるだけの候補者を選び、当選後はその人に全てお任せというスタイルがまかり通っていた。そのような状況を打破するために用いられるようになったマニフェストは企業におけるビジネスプランである。投資家や出資者に理解してもらい、事業をスタートさせてからはチェックリストとして機能させる、ビジネスの世界で当たり前に採られているスタイルが政治の世界ではまだ馴染みが薄い。しかし神奈川県では松沢氏の知事就任を契機に、マニフェストに沿った政策論議や実質的な政策のチェックなどが県議会でも行われるようになったという。
県政に加えて松沢氏が取り組んでいるのが、首都圏連合の構築である。昨今では行政課題が広域化して結びつき、廃藩置県の時に決められた線引きの区切り内で完結する問題はほとんど無くなったと言える。環境、経済、交通など様々な事象については首都圏の地方自治体が連携して共通の戦略や枠組みのもとでの取り組みが必要となっている。参考とするのはEUである。
こうした取り組みがひいては日本の政治行政が孕む閉塞的な状況を打破することに繋がると松沢氏は語る。日本の歴史的に見ても、古い体制が倒れるのはいつも地方からの挑戦の結果なのだと。
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