人事の専門家に限らず経営の全視点から人材マネジメントの基本を学習する、6回シリーズの5回目。今回は、人材や組織のパフォーマンスを高める大きな要因であるコミットメント(やる気+責任感など)について解説する。 コミットメントは、外因的コミットメントと内因的コミットメントなど、各種の要因が重層的にからみ合って醸成される。こうしたコミットメントの相互関係を明確にして、事例を挙げながら仕事と組織のコミットメントを最大限に引き出す施策を考える。
人材や組織のパフォーマンスを高めるコミットメントの基本は、個別最適の仕事コミットメント、チームコミットメント、会社・組織の全体最適を考えたコミットメントなどが重なっている必要がある。 まず仕事コミットメントに影響を与えるのは、積極的に強いコミットメントを生み出す動機付け要因と、不足した場合はマイナス効果のある衛生要因(ベーシックな労働環境)がある。また、報酬やポストなどの外的要求を動機付け要因として得られる外因的コミットメントと、内なる動機や価値観、成功イメージなどの内的要素を動機付け要因として得られる内因的コミットメントがある。 外因的コミットメントを引き出すには、高い報酬が大きな動機付けになるが、充分なアップサイドとダウンサイド、顧客や会社との利益相反の回避、シンプルでデジタルな指標の事前設定、ビジョンや行動指針の基礎教育や徹底した刷り込み、適性者の採用などの前提がないと、全体最適や部分最適でも逆に作用する危険性がある。 内因的コミットメントを引き出すには、課題設定への参画と納得、目標や使命の価値観による意味付け、内なる動機を活用した能力発揮、適切な困難度の目標設定、成功イメージの形成などが重要だと考えられる。日本の大手企業勤務の2千400人のアンケート調査によると、今の仕事にやりがいを感じている人のほとんどが、継続的に仕事への内因的コミットメントを高めており、普段も主体的なジョブデザイン行動を示している。 組織のコミットメントは、大きく次の三つに分けられる。ビジネスリーダー型=自らが関わるビジネスの成功へのコミットメントが基本で、チャンスの提供、活動の自由度、ツールや成功報酬が重要になる。プロフェショナル型=仕事の質やプロ意識へのこだわりが基本で、高い品質標準、優秀な仲間などが重要になる。ブランド求心力型=会社以上にブランドへのコミットメントが基本で、誇りの持てる戦略や商品が重要になる。
スライド 時間 タイトル 00: 00: 00 人材マネジメント論 00: 00: 43 人材マネジメント論 00: 01: 46 仕事コミットメントと組織コミットメント 00: 06: 16 コミットメントの重層性 00: 13: 06 コミットメントのタイプと影響要因 00: 21: 21 報酬で外因的コミットメントを引き出す 00: 29: 56 事例1:コミッション営業のマネジメント 00: 36: 48 内因的コミットメントを引き出す 00: 38: 49 仕事やキャリアの充実感の形成 00: 42: 40 主体的ジョブデザイン行動とは 00: 44: 45 組織へのコミットメントのタイプ 00: 53: 33 事例2:シアーズローバック 00: 56: 46 第5回の課題 00: 58: 32 第5回のまとめ