平岩氏は、慶応義塾大学経済学部を卒業後、株式会社丸井グループへ就職し、2004年より長女誕生をきっかけに放課後NPOの活動を開始、2009年に放課後NPOアフタースクールを法人化。2011年に会社を卒業し教育に専念。2013年から2019年まで文部科学省中央教育審議会委員、2017年より谷区教育委員、2019年より新渡戸文化学園理事長に就任している。
新渡戸文化学園は、1927年に設立し、初代校長が新渡戸稲造博士で、女子経済専門学校としてスタートした。現在は子ども園から小中高校、短期大学の男女共学の中野区にある総合学園で1,250名の学生がいる。
問題意識は、未来に希望がもてないという日本財団の意識調査結果もあり、子どもを子ども扱いしすぎること、社会との接続がないことは日本の学校教育の致命的な欠点で、いじめ・不登校の増加が止まらず、先生のなり手も減ってきている。
今こそ、未来の学校づくりが必要として、教育のシンボルを自分も他人もしあわせにできる力を創造する、学校の役割を自律型学習者の育成として、Challenge Based Learning、Cross Curriculum、Core Learningの3つのCを戦略的に絡み合わせHappiness Creatorを目指す3Cカリキュラムを実践している。
平岩氏にとっての構想力とは、「一歩を踏み出す」で、始動する際に大きな一歩を踏み出すのではなく小さな一歩を踏み出し、続いていくことで意思が固まっていく意思決定もある。自身も会社員として活動を続け、法人化し会社を卒業するまでに結構な時間をかけた。もしかしたら、ニーズがないのかもしれない、自分が続かないかもしれないというチェックをしながら意思を固めてきた。急に固まった氷は割れやすいが、ゆっくり固まった氷は割れにくいという例えの様にゆっくり一枚一枚固まる強い意思決定もあると思うと語った。