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変革マネジメント > 変革マネジメント 01

変革の基本(守)


概要:
経営者にとって企業変革は一番重要な技であり、経営そのものとも言える。本番組は「変革マネジメント」と題し、3回シリーズで、全社改革の守(変革の基本)・破(変革の応用)・離(変革の未来)をそれぞれ説いていく。講師は一橋ビジネススクール客員教授の名和高司氏。マッキンゼーのディレクターとしても20年間コンサルティング事業に従事しており、第1回目の講義では、マッキンゼーの得意とする「守」の部分について、企業の成功例を交えながら基本技を紹介する。
企業変革を4つに分類する手法を『企業変革の教科書』に基づいて考察し、第1回目では基本中の基本であるモデル1と、1より厳しいタイプのモデル2を取り上げる。モデル1はShrink to Growの形を取り、Shrinkではノンコア事業の切り捨て、コスト削減の2つ、Glowはコア事業の拡大、海外展開、新規事業進出の3つ、さらに重要点としてポートフォリオの入れ替え、企業文化の変革を実践、これらをワンサイクルとする。

赤字から3年で黒字転換したコマツの坂根改革の事例を見ると、ポイントはShrinkで半導体事業を切り、Glowではコムストラックスを導入、さらにコマツWAYの布教活動で企業DNAを変換したことだ。日産は全体に3つのウェーブをつくって実行。1つ目で工場閉鎖、サプライヤー半減、本社移転という聖域に対して大胆なShrinkを行い、ウェーブ2でShrinkとGlowを取り混ぜた処置をし、3で新しい車を送り出してもう一段階成長させたという大胆な改革を2年で成功させた。他にもHONDA、日立、良品計画、味の素の成功例があるが、縮小した後、何も残らず成長できなかったパターンが日本企業には多い。また1回のみだと必ず副作用のリバウンドが起きるので、習慣付ける必要もある。

モデル2はSelf Disruptionの形だ。クリステンセンの『イノベーションの解』によると、行動をタイプ①から④に分類する。①が本業を少人数で回す。②がキーとなる第2の創業ゾーン。自動車だとハイブリッド車に当たる。③は反主流事業を軽く行うゾーン。④は最も困難で、事業プロセスも企業価値観も遠く、M&A等が必要なゾーンだ。1993年、トヨタの奥田社長は自社の慢心を見て「打倒トヨタ」を公言、タイプ①でヴィッツ、②がプリウス、③がWill、④は一番難しいEVを打ち出し、保守的な価値観脱却を仕掛けた。今回紹介したモデル①と②は基本技だが、東芝の変革で時期とタイミング、ストレスの掛け方を誤り結果には届かなかった例もあるので、現場と最後まで自分事化する必要がある。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 変革マネジメント#1 変革の基本(守)
00: 00: 43 名和高司
00: 01: 37 全社変革の守破離(1)
00: 01: 51 全社変革の守破離(2)
00: 02: 05 全社変革の守破離(3)
00: 02: 32 全社変革の守破離(4)
00: 03: 06 LeaderとManagerの違いは?(1)
00: 03: 22 LeaderとManagerの違いは?(2)
00: 03: 34 LeaderとManagerの違いは?(3)
00: 03: 37 LeaderとManagerの違いは?(4)
00: 03: 44 LeaderとManagerの違いは?(5)
00: 05: 11 企業変革の4つの型(モデル)(1)
00: 06: 08 企業変革の4つの型(モデル)(2)
00: 08: 35 Model 1: Shrink-to-Grow (V-Concept)
00: 13: 00 コマツの坂根改革: 縮小~成長モデル
00: 17: 32 旭硝子のStoG
00: 18: 16 全社変革着手直後の株価推移
00: 18: 58 IBMにおけるStoG
00: 20: 54 日産リバイバルプラン
00: 24: 54 Hondaの「既・転・新」
00: 27: 35 日立のV字回復
00: 27: 59 日立の川村改革(1)
00: 28: 04 日立の川村改革(2)
00: 29: 36 良品計画のV字回復
00: 30: 45 良品計画の挫折:外部要因
00: 32: 00 良品計画におけるリストラ(2001年~02年)
00: 32: 23 良品計画における企業変革:進化と実行(2003年~)
00: 32: 50 3文化圏へのリージョナル展開
00: 36: 18 味の素のFit & Grow
00: 38: 07 事業利益目標の内訳:FIT & GROWの施策による着実な利益成長を計画
00: 39: 11 Shrink & Growの考え方
00: 43: 09 Model 2: Self Disruption
00: 43: 54 イノベーションへの解
00: 49: 03 トヨタの「イノベータのジレンマ」越え(1)
00: 49: 31 トヨタの「イノベータのジレンマ」越え(2)
00: 49: 32 トヨタの「イノベータのジレンマ」越え(3)
00: 54: 31 ウェルチによる創造的破壊
00: 57: 17 【再掲】イノベーションへの解
00: 57: 37 【再掲】ウェルチによる創造的破壊
00: 58: 56 次世代成長に向けた全社変革 東芝・西田変革の例
講師紹介: 名和 高司(なわ たかし)
一橋大学ビジネススクール 客員教授

・東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。
・三菱商事の機械(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。
・マッキンゼーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、デジタル分野における日本支社ヘッドを歴任。日本、アジア、アメリカなどを舞台に、多様な業界において、次世代成長戦略、全社構造改革などのプロジェクトに幅広く従事。
・2010年6月より、一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)教授に就任。同校においては「問題解決」「グローバル経営」「イノベーション戦略」「デジタルトランスフォーメーション戦略」「コーポレートガバナンス」を担当。
・2014年より、30社近くの日本企業の次世代リーダーを交えたCSVフォーラムを主催。
・2021年4月より、京都先端科学大学客員教授に就任 ・デンソー(~2019年6月)、ファーストリテイリング、味の素、SOMPOホールディングス、 NECキャピタルソリューションズの社外取締役、三菱ケミカル、日本電産、ボストン・コンサルティング・グループ(~2016年12月)、アクセンチュア、インターブランドなどのシニアアドバイザーを兼任。
・IPR(Industry Process Redesign)という手法を提唱し、METIと共同で、6産業の業界構造変革の道筋とその経済効果を発表。多様な業界において業界再編・異業種共創を提唱し、複数のM&A、アライアンス案件を支援。
・顧客価値を高めつつ、提供コストを徹底的に切り詰める「スマート・リーン」イノベーションを次世代成長を駆動するモデルとして提唱。企業における実践を支援する組織として「株式会社ジェネシスパートナーズ」を設立し、その代表取締役に就任。日本やアジアを代表するグローバル企業の次世代成長を支援。

【著書】「CSV経営戦略」 「経営改革大全~企業を壊す100の誤解」 「企業変革の教科書」「成長企業の法則」 「コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法」「学習優位の経営」「失われた20年の100社の勝ち組企業100社の成功法則~X経営の時代」「日本企業をグローバル勝者にする経営戦略の授業」「日本人が誤解するSDGsの本質」 「パーパス経営」「稲盛と永守」(日本経済新聞出版社)

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  アシスタント:長谷部 真奈見

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