岡田氏は、10歳からプログラミングを始め、高校でコンピュータグラフィックスを専攻し、愛知工業大学情報科学部に在学中に株式会社響を設立し取締役CTOに就任。ITベンチャー企業を経て、2012年に日本で初めてディープラーニングを専門的に取り扱うベンチャー企業である株式会社ABEJAを設立した。
ABEJAは、スペイン語でミツバチという意味で、受粉のプロセスで食物連鎖の根本を担い社会に欠かせない存在になる願いを込め、ゆたかな世界を実装することをコーポレートフィロソフィーとしている。世界で初めての小売業向けディープラーニングベースSaaSをリリースした。小売業向けのみならず、ダイキン工業やNVIDIA、SAPジャパンと業務提携、Googleより資金調達するなど多くの産業に価値を提供している。
ABEJAではテクノプレナーシップの精神を大事にしており、テクノロジーでイノベーションを実現してインパクトのある社会貢献をする姿勢と、リベラルアーツで自らの行為を問い続ける姿勢、その両者の円環を推進する原動力のアントレプレナーシップが重要だという。テクノロジーが産業や経済だけでなく、生活レベルでも大きな変化をもたらし、テクノロジーを正しく使うため、広く文化を学びイノベーションで世界を変える事を大事にしている。
岡田氏の人生の師は徳山詳直氏で、徳山氏は京都造形芸術大学と東北芸術工科大学を創設した人物で、1950年に同志社大学法学部政治学科へ進学後朝鮮動乱に抗議する運動に身を投じたことから数回にわたり逮捕・拘留された獄中で吉田松陰の留魂録を読み墓前で「昭和の松下村塾」を作ることを誓い大学を創設した。徳山氏の影響を受け、リベラルアーツで自らの行為を問い続ける姿勢やリーダーシップを学び、テクノプレナーシップの精神を大切にしているという。
岡田氏にとっての構想力は「違和感を感じること」で、違和感に慣れてしまい忘れてしまわず、違和感を突き詰めていくことが大きな構想力に繋がると語った。