概要:
これまでの第7回および第8回の講義では、企業の資金調達手段の代表である負債、そして株式資本についてコストとリターンの関係からCAPMによって導く方法を解説してきました。
ここからは、負債と株式資本のコストを前提として、負債と株式資本をどのように組み合わせて資金調達していったらよいか。そして、どのように資金調達することによって、より良い企業価値を生むことができるのか。ということについて考えていきます。
企業の価値とは、将来発生するであろうフリーキャッシュフローを割り引くことによって、算定することができると説明してきました。
しかし、現実には企業がどのように資金調達をするのかということによって、用いる資本コストを替える事ができます。このことをファイナンスでは、資本政策・負債政策と呼んでいます。
今回の講義では、この資本構成と企業価値についての有名な命題であるモディリアーニ(F. Modigliani)とミラー(M. H. Miller)の理論(MM理論)について解説します。ここでは、その代表的な2つの命題について解説します。
次に、MM理論の命題(完全なる競争市場のものとで負債政策がまったく企業価値に影響しない)の下で、「どの条件が満たされなければ、資本政策が有効になるのか」という事を考えていきます。
MM理論を理解するということは、資本政策・負債政策を理解するための第1ステップとなりますので、十分に理解してください。
また、後半では、このようなMM命題についてどのような伝統的見解(問題)があるのかということについて解説します。
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