概要:
第6回までの講義では、現在価値の考え方、そしてその応用としての債券の価値、株式の価値についての概念と計算方法について学んできました。今回から2回の講義では、株式資本の現在価値を計算するときに使われる割引率を求める際の計算モデルである、資本資産価格モデル(CAPM: Capital Asset Pricing Model)について解説します。このモデルは、リスクとリターンの関係から株式の割引率を算定するものです。
今回の講義では、まず「リスクをどのように捉えたら良いか」ということから解説していきます。ここではまず、「総体としてのリスクをどのように測定するか」ということについて捉え、その中で分散投資によって「分散可能なリスク」と「分散不可能なリスク」の2つに分けて解説します。
ファイナンスにおいて「リスク」について考える場合は、統計学の4つの考え方(分散、標準偏差、共分散、相関係数)が必要になりますが、ここでは、細かい計算式ではなく、それぞれの意味を把握し、計算は、Microsoft Excel等の表計算ソフトを利用すると良いでしょう。
次に、分散投資とその限界について、個別リスク(分散可能なリスク)と市場リスク(分散不可能なリスク)について解説します。また、ポートフォリオを組んで分散投資した場合の収益率とリスク逓減の効果が、どのように計算されるかを具体的に見ていきます。
最後に、ベータと個別リスクについて解説します。ベータ(β)とは、市場ポートフォリオに対する感応度を計算したものです。市場ポートフォリオとは、経済全体を示すような株式の組み入れのポートフォリオであり、S&P Corporate指数や東証株価指数(TOPIX)や日経225等があります。ベータの考え方は、次回の講義で解説する資本資産価格モデルの基本となる考え方ですので、十分に理解してください。
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