概要:
前回までは、現在価値の考え方とその応用について、その考え方と具体的な計算方法について学んできました。今回は、まず現在価値の知識の整理を行い、企業が投資の意思決定を行う際に多く用いている3つの基準(投資回収期間、会計上の収益率、内部収益率)について解説します。
ここでは、「正味現在価値による手法が、その他の手法と比べて、なぜ優れているのか(それぞれの意義と問題点)」ということについても意識して考えながら学習してください。
最後に、「企業が使うことのできる資本の額に制約がある場合に、どのような意思決定を行えばよいのか」、ということについて見ていきます。このような使用資本に制限がある場合は、計算上の正味現在価値がプラスであっても投資できないということが考えられます。そこで、正味現在価値がプラスの投資案の中で優先順位をつけて投資の意思決定を行う必要があります。一般には、線形計画法という手法がありますが、本講義では具体的なお話を行いませんので、さらに専門的に学習されたい場合は専門書籍等でご確認ください。本講義では、簡便法としての収益性インデックスについて解説します。
>> 参考
投資回収期間(Payback Period)とは、予測キャッシュフローの合計額と初期投資額が同額になるまでの期間のことを意味します。つまり、投資額を何年で回収できるかを見る方法です。その期間が、目標回収期間より小さければその投資案を実施するというものです。
会計上の収益率(Accounting Rate of Return)とは、プロジェクトの寿命期間内の平均利益を平均簿価で除したものです。
内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)とは、正味現在価値(NPV)をゼロにするような割引率(r)のことを指します。自社の資本コストが、IRR以下(資本コスト≦IRR)のとき、投資を実施するというものです。なお、計算が複雑になっておりますので、Microsoft Excel等の表計算ソフトを利用すると良いでしょう。
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