株式会社ファンベースカンパニーは、現会長の佐藤尚之氏が提唱する「ファンベース」の概念を広めていくことで、企業や社会をハッピーにしていくことをミッションとする会社である。
同社のいうファンとは「企業やブランドなどが大切にしている価値を支持してくれる人」のことであり、ファンベースとは「ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や事業価値を高める考え方」である。
ファンが感じる価値は、機能価値だけでなく、情緒価値や未来価値もある。企業は、それらを正しく伝えていくことが大切である。
いまファンが大切だというのは、
(1)時代:人口急減により物理的に顧客が減っている。同時に情報量は膨大に増加しており、興味のない人に企業がメッセージを伝えるのは難しくなっている。
(2)売上:上位20%の顧客が売上の80%を支えている。
(3)類友:価値観が近い人が勧めるものは信頼されやすく、影響力が大きい、という3つの理由がある。
ファンベースの考え方は、マーケティング活動にも、新規事業開発にも、社員のファン化にも活かすことができるものである。
現在、同社は多種多様な業種80社程度の相談に乗っている。ファンベースを進めるために、
(1)ファンを見つけ、現状を知る
(2)ファンに深く傾聴する
(3)分析し、具体的な施策を企画する
(4)施策を実施する
という流れで、企業との伴走を行っている。
とくに本当のファンだけを集めて行う「ファンミーティング」は、ファンの生の言葉を記録し、分析することで、ファンのツボ(愛されている価値)を理解することができるものである。その価値を伸ばし、さらにファンに愛されることで、新しいファンを獲得できるし、新規事業のヒントも得ることができる。
人口減少の時代、持続可能なマーケティングのためには、ファンベースの考え方は、非常に有効であると考える。