●70~80年代の日本の成功と90年代の低迷
日本は、70年代から80年代にかけて大成功を収めてきましたが、それは情報革命の持つ可能性をいち早く理解し、応用してきたからです。しかし応用されたのは製造業だけであり、その結果、製造業においては大成功を収めることができました。
しかしサービス産業や国内経済に対して情報革命の持つ大きな可能性を利用することはありませんでした。そのため、これらの分野で他国に大きな遅れをとることになってしまいました。
●80年代アメリカは不況の苦しい時期に何をしてきたか
一方、アメリカは苦しい時期を乗り越えるために実に様々なことを同時にやってきました。
まず、レーガン大統領時代に進められた規制緩和により、サービス産業の根幹をなす3つの分野である輸送、金融、通信に対して大幅な規制緩和が行われました。サービス産業に力を注ぎ、サービス産業は急激な成長を遂げました。シリコンバレーを中心として新しい産業や新しい企業が大成功を収めたのです。
フォーチュン500の大企業は、大規模なリストラで数千~数十万規模の解雇が行われています。しかし、大きな傷を味わいながらも、SOHO市場に人や仕事が流れています。最近の調査では、女性のSOHO市場は、大企業500社の2倍の仕事が生まれていることが判明しました。
●日本システムの問題点~日本への処方箋
日本は70年代の成功の後、産業の保護と納税の重い負担による消費の冷えこみという悪循環に陥っていきました。政府は様々な産業を保護していたため、物価は高く、一般の人達は銀行に非常に低い利率でお金を預けました。給与でみるのではなく正味の利益でみるならば、ポケットに入れたお金が片一方から出ていっているということになります。
恩恵を被っていたのは、適応能力のない体質の古い大企業だったと言えます。今でも政府が国債を発行して調達した資金が、国民にとって不必要な空港や港、幹線道路、橋などの建設に対して流れています。大きな建設企業に対して利益を与えているに過ぎないと言えます。
数年前、経団連のトップ100人とお話する機会がありました。その時私は彼らに言いました。あなたがたは日本の60年代70年代において、ある一連のプライオリティ(優先付け)というものを築いてきました。経済が全てに優先する、大企業が中小企業に優先する、輸出が国内消費に優先する、企業が個人に優先す